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……んっ、
深く暗い水の底から、水面に浮き上がる様な感覚に襲われる。
「……はっ、…ぅン、…」
何でこんなに、息苦しいんだろう……
そう思った瞬間──下腹の奥に柔らかな楔が打ち込まれ、きゅうっ、とナカが締まった。
……え……
重い瞼をこじ開ければ、視界にぼんやりと映るのは……裸の祐輔。
全力疾走したみたいに息を上げ、額や首筋等が汗で濡れて光っている。
祐輔が揺れる度に、体が揺さぶられ……
溺れた僕を救助するかの如く、重ねられる唇。
……んっ、
舌が潜り込まれ………再び、深い海の底へと沈められる。
波打ち際に咲く、白い花。
脳内を埋め尽くす、無数の白い点、点、点──
指先が痺れ、そこから全ての感覚が失われていく……
ここは一体、どこ……?
……僕は、どうなっちゃった……の……?
「……葵」
遠くで微かに聞こえるのは、……くちゅっくちゅっ、と泡立つ卑猥な水音。
くぐもった、祐輔の声──
「イく、ぞ……」
待って……!
ゆっくりと片手を持ち上げ……祐輔の熱く灼けた肌に触れる。
──その瞬間。
一際大きな波が打ち寄せ、僕の全てを飲み込んだ。
「……ゃ、あぁぁ、……あぁ…ん……っ!」
体中を駆け巡る、熱い血潮。
淫らに体を震わせ、ナカを戦慄かせ。
呼吸が乱れ、律動に合わせて腰が揺れてしまう……
「……もう、我慢できな、い」
祐輔の呻く声。
背中や首の後ろに腕を通し、僕を守る様にしっかりと抱き締める。
「……イく……、!」
激しく揺さぶられ
最奥をズンっ、と深く打ち込まれた。
──蕩ける。
内側から……水を含んだ角砂糖のように。
砕かれ、甘く溶かされる。
末端まで押し流される、恍惚感。
弓形に背中がしなり……息継ぎをしようと、顎先を天に上げた。
熱い。
……溢れる位、僕のナカが……祐輔のDNAで、いっぱいになって……
恍惚とした僕の首筋に、祐輔の熱い舌が這う。
それはまるで、注射を打つ前の消毒の様で。妙な緊張感と期待が交差する。
そこに当てられる、祐輔の尖った犬歯……
「……あぁぁ、……っん、!……」
たった、それだけ。
それだけなのに……
先程の絶頂感を上回る、高揚感。
脳内に眩い光が幾つも走り、ビリッと弾けて散り──
『Ωになったら、迎えに行く』
瞼の裏に蘇る、あの日の光景。
祐輔の声……温もり……
あの時から……
……僕は、本当に──
瞼を薄く閉じ、祐輔に首筋を差し出す。
噛んで……!
もっと、もっと……!
奥に秘めた滾る激情と共に、僕の欲望が芽吹く。
祐輔、噛んで……お願い……
「………っ、!」
肉を食い込む、祐輔の歯。
……だけど、何かが違っていた。
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