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第50話 居場所

息苦しさに目を開けると 先程までの部屋と違う天井に、一瞬 何が何だか解らなくなった ゆっくり顔を動かすと、此処がゆうごの部屋である事に気付いて 大きく息を吐いた でも隣にゆうごが居ない事に気が付いてしまい、不安になった僕は 体を起こすと同時に その姿を探した ゆうごのお部屋は、廊下から部屋に入る扉の真ん中がガラスになっていて、向こう側が見える そのガラスの向こうに ゆうごの姿を発見した僕は、ベッドから降りると ドア越しまで近付き、そっと隙間から覗き込んだ どうやら ゆうごは電話をしている様で、終わるまで ここで待とうと思った あの夢の後では 不安過ぎて、とてもじゃないけど ベッドにもソファにも落ち着いていられる気がしない でも 数分も経たないうちに、ゆうごが僕が立っている事に気付いてくれて、ニコッと笑いかけてくれたかと思うと、電話したまま中に入って 僕を抱き寄せてくれた 「ええ そうです このままずっと うちに居て欲しくて」 …僕の事⁇ 恐る恐るゆうごを見上げると、先程の笑顔を保ったまま「どうかした⁇」とでも言いたげに首を傾げている その仕草は 僕がここに居るのが当たり前と言ってくれている様な気がして、本当に嬉しかった 「え⁇ 予約⁇」 ゆうごの言葉に ビクッと肩が動いてしまった もう直ぐ発情期が来る その事を考えれば、予約者が誰なのか 容易く想像出来た 『そ〜くん♡ また俺と あ〜そぼ♡』 先程の夢の中の声が脳内再生されて 体が震えた でも 今回耐えれば また此処に戻って来られるなら、いつもより頑張れる様な気がした ちゃんとそう思ったのに 無意識にゆうごの服の裾を強く掴み、僕の目には 涙が滲み始めていた

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