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第78話 傾慕
「佐倉、これ 昨日薬を分けてくれた方に 返しておいてくれないか⁇
本当にありがとうございます、助かりましたと伝えてくれ」
「あ…はい かしこまりました」
会社に着いて早々 新品の抑制剤を渡されて、一瞬動揺してしまったが 自分のだとは気付かれていない事に、ホッと安堵の息を漏らした
「こちら 今日のスケジュールです」
腫れずに済んだ目元にも感謝しながら、何食わぬ顔で 接していられた
「ん ありがと
あ、そうだ…社長って、近々夜 空いてる日あるかな⁇」
「確認致します」
「悪い 頼む」
にこやかな顔だったのが、デスクに置いてある大量の書類に目を移せば、ガラッと仕事モードに変わる
この瞬間を見るのが すごく好きだ
いつもの様に頭を下げると 自分のデスクに戻り、急ぎのものから片付けていった
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