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第85話 家庭教師 Ⅱ〜side物井〜
大学時代の友人から、訳あって知り合った子の家庭教師をして欲しいと連絡を受けた時は、遂に身寄りの無い子でも引き取ったのかと思った
それ位 桃坂 佑吾という男はお人好しで、αなのに偉ぶったりもしない かなり珍しい奴だった
よくよく話を聞いてみると、その子を番相手にと思っているらしく、学生時代 モテまくっていたコイツにそれを言わせたのがどんな人物なのか、かなり楽しみにしていたのだが 目の前にいる少年は、ねぇ 君天使なの⁇と 思わず問い質したくなる様な容姿の持主だった
最初はビクビクして 桃の後ろに隠れてばかりだったが、暫く経つと緊張が解けたのか、よく笑う様になった
その笑顔には 花が咲く様な 羽でも降ってきそうな、そんな可憐さがあった
それにしても 桃の猫可愛がりっぷりがスゴイ…
見ているコッチが 恥ずかしくなる程だ
「じゃあ 俺 仕事行ってくるから、後よろしくな」
「おう」
俺が片手を上げると 金髪の少年は桃を追って 玄関まで着いて行った様だが、俺は持ってきていたテストの準備を始めた
取り敢えず小学校卒業レベルを用意して、戻って来た彼に ニコッと笑顔を作った
「じゃあ 始めよっか⁇」
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