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第2話 出逢い Ⅱ

「では こちらにサインを」 契約書と書かれた書類に目を通した 商品に傷はつけない事とか レンタルは期間は 一週間とか、人としてではなく 完璧な物扱いに 吐き気がした それは 今からソレにお金を払う自分自身にも 「それにしても ちょっと残念だね やっぱりΩは 発情期の時が良いのにさ お陰で 少し安いけれど…」 「この子人気なんですよ 発情期のタイミングは いつも予約が入るくらいで」 「…そうなんですか」 頭の上で繰り広げられる会話に適当に相槌だけ打つと、サッとその紙にサインをし 現金を手渡した それを受け取った男は 上機嫌で奥へと進み、数分後には 先程の少年を連れて戻って来た 「はい 創(そう)くんです よろしくお願いしますね」 俺の方に細い腕を差し出され、男の代わりに 折れそうな手首を握った その瞬間 ビクッと大きく反応したかと思うと、カタカタと小刻みに震え出した 「…だ」 「私はもう少し見ていくけど 桃坂君は 先に帰るかい⁇」 「…あ…はい」 大丈夫かと尋ねようとした矢先 社長から話しかけられて、咄嗟に手を離し 後ろを振り返った 帰してくれる事に少しホッとして、たわいのない社交辞令を交わす 俺達のやり取りを聞いていた男は、そそくさと社長を先程の部屋に通すと、俺達を出口へと案内してくれた 建物を出ると タクシーがズラリと並んでいて、一番近くの車に歩み寄り 先に男の子を乗せた 「お客様 コレ その子の荷物です あと 紫外線に弱いので、 外を連れて歩く時は 注意して下さいね」 「…はい」 ボストンバッグを受け取り ドアが閉まる 運転手に行き先を告げると、建物が後方に消えていき やっと少し落ち着く事が出来た

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