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第15話 深慮 Ⅴ〜side創〜
恥ずかしい 恥ずかしい 恥ずかしい
ゆうごには こんな事 絶対知られたくなかった
でも 僕が何を話しても、ゆうごはずっと抱きしめてくれるし 頭を撫でてくれて、涙が出そうになるのを 唇を噛んで堪えていた
「…創 話してくれてありがとう」
「…ゆうご」
「夕飯は 外食にする⁇
それか 出来合いの物買っても良いし
創が自分で選んで、自分で持って帰って来た物なら食べられそ⁇」
「…え⁇」
顔を上げると ゆうごは優しく微笑みながら、僕の髪を撫でてくれた
「どっちの方が良い⁇
それか 他に食べれる物があったら教えて⁇」
「…ゆうご」
どうしてそんなに 僕に優しくしてくれるの⁇
どうして僕は 泣きそうになるの⁇
どうしてこんなに 胸が温かくなるの⁇
どうして…⁇
「ぼ 僕は…」
「うん」
テーブルを見上げると ゴクッと唾を飲み込み、ゆっくり深呼吸をした
そのままゆうごの手を離して 椅子に腰かけると、出してくれてあったお箸を手に取った
食べ物を前にすると、罵られた言葉や蹂躙された記憶が蘇ってきて、変な汗が出てくるのが分かる
掌も例に漏れる事はなく 箸が滑り落ちていきそうだ
「創⁉︎ 無理しなくて良いんだぞ⁉︎」
小さく息を吐いてから ゆうごの制止を聞かずに
、目の前のご飯を パクッと口に押し込んだ
「………」
「創⁇」
涙が溢れて止まらなかった
僕は 12才で発情期が来て その後 一ヶ月もしないうちに、今のあの場所に連れて来られた
少し経った頃から、何を食べても何を飲んでも味がしなくなった
それなのに
「……美味しい」
味がした
冷めてる筈なのに すごく温かく感じた
どうしてなのかは分からなかったけど、目から流れ出る物を 止める事が出来なかった
「…創 食べてくれるなら これ温め直すから貸して⁇」
ゆうごは お皿を持ってキッチンに行くと、直ぐに戻って来てくれて 僕の目元を拭いてくれた
「そういえば 飲み物も色々買って来たんだ
あと 甘い物もあるんだけど、 食べれそうだったら 一緒に食べよう⁇」
ゆうごはビニール袋から すごく沢山物を出してきて、流石にそんなには食べられないよと思ったら、僕は無意識に 笑っていた
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