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第24話 外出 Ⅴ

「楽しかった‼︎」 アトラクションから出る道すがら、恐らくここ数日で 一番大きな声で 創が俺の腕を掴んだ 「良かった 次 何乗る⁇」 パンフレットを開くと 創は真剣に見入っていて、俺は気付かれない様に 小さく笑った 「これ」 指差された先に向かっている途中で、創の頭に被せたキャラクターの家らしきものが見えた時、創の足が その前でピタリと止まった 「中入ってみる⁇」 俺が問い掛けると 首を縦に動かしたので、その中へ足を踏み入れた 中にはモニュメントがあって、世界観がしっかり作りこまれている そして 土産物がそこら中に置いてあって、成る程ね と俺は 一人感心していた ふと下を見ると 創が熊のモニュメントを撫でていて、寧ろ創は この中の登場キャラクターの 一人なんじゃないかばりの一体感に、俺は携帯のカメラを起動させて 一枚カシャッとデータに納めた シャッター音に気付いた創は 俺の方を振り返ると恥ずかしそうに俺の胸を ポカポカと力無く叩いてきた 「ごめんごめん 何か欲しいのある⁇ コレとか 良いんじゃない⁇」 俺は キャラクターのマグカップを手に取ると創に渡した うちにあるのは どれもモノクロのシンプルなものばかりで 創には コッチの方が合うと思った 「あと この辺とかも買おっか⁇」 俺は 下着や靴下などの日用品を 棚からいくつか取った 創の荷物として渡させれていた鞄の中身は、あの白い服と 数枚の下着類だったのだが、どれも年季が入っている様に見えて、新しいのを買ってあげたいと思っていたところだったからだ 「で でも…」 「はい 時間勿体無いから さっさとレジ行くぞ⁇」 戸惑う創を無視して レジに並ぶと先程の商品を全て購入し、創が乗りたいと言ったアトラクションへ 再び向かった 俺が手を差し出すと 戸惑いながらもちゃんと繋いでくれて 俺は顔の綻びを 抑えきれなかった

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