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第156話 約束 Ⅳ

日焼け止め塗った 帽子被った 眼鏡かけた 「よし!!」 昨日 佑吾がくれたお財布をポケットに入れると携帯を開いた 「いってきます…と」 そう佑吾に連絡を入れると 直ぐに《気を付けて》と返信が来た その事が嬉しくて 顔が緩んでしまう 「…寒い」 外に出ると 吐く息は白くなって、頬を刺すような痛みが走り 思わずマフラーを上げた 一人で外出なんて 小学生以来だ ちょっとドキドキする でも不思議と 不安や恐怖は無かった 何となく 今は居ないのに 佑吾が僕の事を見守ってくれている様な そんな気がした スーパーに無事到着し、買物を済ませると直ぐ隣にお花屋さんがある事に気がついて足を止めた 色とりどりの花達は凄く綺麗で、佑吾から貰ったお小遣いの残りを確認して 中へ入った 頭の中で 前に見た花言葉を思い出しながら、二種類の花を包んでもらった ベコニアとかすみ草 愛の告白 幸せな日々 感謝 もし佑吾が知ってたら恥ずかしいなと思ったけど、数ヶ月前の僕からは 想像も出来ない程穏やかな毎日は、全部佑吾のおかげだから 少しでもそれを表現したかった 家に帰ると 直ぐに佑吾に連絡をした 《今お家着きました》と送れば また直ぐに《お帰り》と返信が来た 数秒それを見つめた後 僕は買ってきた材料を広げて、昨日見たレシピ通りに 調理を始めた

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