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第179話 不安
蓮さんに設定してもらったタブレット
この中に入っている教科書を全部頭の中に入れておきたくて、トントンとスライドをしていると横から佑吾が覗き込んできた
一冊終わった所で顔を上げると 佑吾はニコッと笑いかけてくれた
「創は それで全部覚えられちゃうの⁇」
「え⁇ あ、うん…」
「凄いな」
そう言われてよしよしと頭を撫でられると、少しだけ誇らしい気持ちになる
「お、校内案内図とかある 懐かしいな」
それを見ながら佑吾が校舎内の説明をしてくれ
て、僕もこれから佑吾と同じ事を共有出来るのかと思うとすごく嬉しかった
でもそれと同じ位不安も大きくて、楽しそうに話す佑吾の胸に顔を寄せた
「創⁇ 大丈夫⁇」
「…うん…僕 クラスの人とかと上手く付き合えるかな」
昔からこの容姿を揶揄われたり、何でも覚えている事を気味悪がられたり、外で遊ぶ事を避けていたのも相まって友達という人が出来た事はなかった
「大丈夫だよ
何かあったら 俺飛んで行くし、生徒会長やってる蓮もいるんだし」
「…でも 迷惑じゃない⁇」
「俺は創の事 迷惑だって思った事、今まで一度も無いよ
蓮も思ってる事ハッキリ言うタイプだから、そう思ってたら今日も来てないと思う」
「…本当⁇」
「本当だよ それに…」
そう言った後 腰を引き寄せられて、頬にキスをされた
さっきの言葉の続きが気になって、ジッと佑吾を見上げると 今度は口に触れるだけのキスをしてくれた
「それに…なぁに⁇」
「…ううん、何でもない
楽しい学校生活になると良いね」
「…うん」
誤魔化された様な気がしたけど、佑吾が優しく抱きしめてくれたから、僕はその腕の温もりに酔いしれていた
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