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第181話 入学式

「おお!! 似合う似合う!!」 「ほ、本当⁇」 遂にやって来た入学式の日 僕はこの前の蓮さんやアルバムの中の佑吾と同じ服に身を包んでいた 薄いブルーのYシャツに赤いネクタイ キャメル色のベストと白いブレザーにグレーチェックのパンツ 鏡に映る自分のそんな姿はとても新鮮だった 「忘れ物ない⁇」 「うん」 スクールバッグを肩に掛けて 佑吾の後に着いて行くと、外では佐倉さんがにこやかに迎えてくれた 「おはようございます」 「おはよう 佐倉」 「お、おはようございます」 学校に向かう車内では、ずっとドキドキしていた 佑吾や佐倉さんが何か話してくれていた気がするけど全然覚えていない 校門の前に着いてからは何度か深呼吸を繰り返しした 「大丈夫か⁇  ごめんな…今日はどうしても外せない仕事があって…  何かあったら 直ぐ連絡するんだぞ⁇」 「…うん」 ギュッと鞄を握り直した時、窓がコンコンと叩かれた 振り返ると外には蓮さんが居て、心の底からホッとするのを感じた 「蓮さん!!」 「おはよう、クラスA組だった  案内するからおいで」 その言葉に心細さが解消されて涙腺が緩む 「あ、ありがとうございます…」 「悪いな 蓮、よろしく頼む」 「うん…佐倉 おはよう」 ドアを開けると蓮さんは中を覗き込み、振り返った佐倉さんは 小さく頭を下げた 「蓮様 おはようございます」 見上げた先の蓮さんは表情は変わらないのに少し嬉しそうに見えた 「じゃ、行こっか」 「あ、はい!! 行ってきます」 「行ってらっしゃい」 車を降りて手を振ると佑吾も振り返してくれた 何だか、ちょっとだけ寂しい… 送り出す時とまた違う風に感じるのは、僕が今 不安でいっぱいだからなのかな… 走り出した車を見送ると蓮さんに手招きされて 後に着いて行った 校門を潜れば沢山の人が居て、すれ違う人は驚いた様な顔で僕を見ている その視線は とても居心地が悪くて、体を縮こませながら蓮さんに続いて校舎の中に入った

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