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第3話

矢野君が乗った救急車に、僕も一緒に乗った。 矢野君はとても辛そうで、血は止まらなくて。 僕はずっと泣いていたと思う。 病院に着くと、僕は待たされた。 2時間ぐらい待たされたと思う。僕は医者に呼ばれた。 そして、話を聞かされた。 矢野君はもともと、体が弱くてあまり無理をしてもいい人間ではなかった。 それから、怪我の方は致命傷まではいかなくても、相当酷い。これは、頭を強く打ったためだと、教えてもらった。 僕は思った。 僕がもっと早く矢野君の所に行っていれば、あの暑い所に立たせておかなければ、宿題を忘れなければ、矢野君が無理して歩くのを止めていれば・・・ 思うことは、もっとあった。 「僕のせいだ。」 口から零れ落ちた言葉だった。

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