1 / 5

第1話

今から出て来れないかと悪友から電話があったのは、しとしとと雨が降る、妙に暖かくて気持ちの悪い春の夜だった。 「雪弥に会わせてやる」 雪弥。巨匠・平松幸之助の著書「津軽三味線の国から」の主人公。 物語の舞台は戦後の日本。町には空襲で家を失い行き場を失くした人々が溢れていた。僅かな物資を求め、闇市が賑わいを見せる。幼い頃に母を亡くし、戦争で父を亡くした雪弥が生き抜いたのは、混沌として過酷な時代だった。 雪弥は、生き延びるためなら何でもやった。朝早くから駅前に陣取って靴磨きをするのが日課で、ある時は盗みを働き、ある時は体を売ることさえあった。ある日、いつものように路傍に構えていると、どこからか三味線の音が響いてきた。持ち場を離れ、その音に吸い寄せられるようにして出会ったのは、雪弥と同じく行き場を失った老人だった。生きる目的を見失っていた雪弥は、深みを持つ三味線の音色に生きる目的を見出す。老人に師事し、生涯を津軽三味線に捧げる奏者の話だ。 描写が過激すぎると物議を醸し、一時出版を見合わせる事態となったことで話題騒然、販売されるや否やたちまち100万部を売り上げる大ベストセラーになった。問題作であるこの作品には熱狂的なファンが多く、俺もその中の一人である。 帰れなくなったから迎えに来いだとか、そんなくだらない用事だったら無視して電話を切ってやるつもりだったが雪弥に会えるならば話は別だ。 平松幸之助には謎が多く、ペンネーム以外の一切のプロフィールは明かされていない。「幸之助」という名前から男性であろうと推測されているが、性別すらも不明なのである。彼の著書には、あとがきがないことでも有名だ。モデルがいたのかどうなのかもわからない状態で「雪弥に会わせてやる」だなんて、信憑性に欠けていてまともに取り合う人間はいないだろうが、悪友の久坂は平松先生の担当編集であった。 フリーライターとして生計を立てている俺は、その日たまたま家で仕事をしていて酒を飲んでいなかった。車で来いと念を押され、手ぶらでもなんだからと途中デパートに立ち寄ってから指定されたホテルへ向かった。 車を走らせること約2時間。辿り着いたのは温泉街として有名な観光名所だった。立ち並ぶホテルの中から一番高い建物の駐車場に車を止めてからロビーに入ると、すでに出来上がっている久坂に迎えられた。 「お前、何だその格好」 俺の姿を見るなりゲラゲラと久坂が笑い出す。髪をワックスで固め、スーツに革靴、手土産という装いだが、開放的なロビーの天井からはシャンデリアが吊る下げられ、従業員はもれなく正装というこの場においては、スーツ姿の俺よりも下品に笑い声を上げる久坂の方が明らかに浮いていた。 「そんな格好しても先生には会えないぞ」 一頻り笑った久坂が、先生はもうお帰りになられた、と付け加えた。あわよくばひと目でもと、抱いていた淡い期待をバッサリと切り捨てられ、このまま帰りたくなった。しかし、雪弥のモデルとなった人物と会えるというのは本当らしい。ルームキーを使ってエレベーターを呼び、久坂の後に続いて部屋へ向かう。 「今日は取材だったのか?仕事なのにそんなに飲んで大丈夫なのか」 「仕事はきっちりしたさ。ただ、酒の席になるとやたら勧められて飲まされるんだよな」 平松先生は酒が強い人物なのかもしれない。久坂は一見適当そうに見える男だが、意外にも義理堅い人間で、友人の俺にも平松先生の情報の一切を漏らさない。ただ、酒が入ると多少ガードが緩くなるのかたまにこうして謎に満ちた先生の輪郭が垣間見えたりする。 「雪弥のモデルってどんな子?本名そのまま使ってたりする?」 「雪弥は雪弥だな。見た目も小説の通りだけど、ちょっと吃驚するかもしれない」 含みを持った言い方をした久坂がルームキーを使って鍵を解除し、ドアを開ける。玄関の隅に折り畳まれて置かれている車椅子が気になった。 ホテルの煌びやかな内装とは一転、部屋は落ち着いた雰囲気の和室だった。襖を開けると、その雰囲気に似つかわしくない光景が目に飛び込んでくる。 白い肌に、うねる銀色の髪を持つ華奢な少年。歳は中学生くらいであろうか。言葉を発することも身じろぎすることもせず、ただ置物のようにしてそこに在った。 「目隠し外しても?」 「いいけど、お前驚かないんだな」 少年の前にあった卓袱台を横にずらし、少年の前に正座をする。持っていた手土産は机の上に置いた。ビニールの音に反応して薄く口が開いたが、すぐにぎゅっと引き締められた。 両手を少年の後頭部に回し紐を引くと、簡単に解けた。たっぷりの銀色のまつ毛、眩しそうに細められた目は、灰色の瞳だった。日本人離れしたその容姿は、久坂の言う通り見た目小説のままの雪弥だった。小説の中の雪弥は、日本人の両親を持ちながらも先祖がえりで異国人の風貌をしており、その容姿のせいで酷い差別を受けていた。時代背景を考慮すれば仕方のないことなのかもしれないが、この描写が問題視された。 「初めまして、雪弥くん。林譲って言います」 無理矢理名刺を握らせると、雪弥は表情を変えずに俺の後ろに立つ久坂を見た。 「そいつ喋らないよ。声帯切り取られてて喋れない」 日本人離れした容姿には驚かなかったが、雪弥の頭上にはシベリアン・ハスキーを彷彿とさせる大きな耳と、腰のあたりからは真っ白な尻尾のようなものが付いていた。作り物にしてはリアルだと思ったが、首には黒い首輪が嵌められ、両手首は胸の前で拘束され短い鎖で首輪と繋がれている。よく見ると、細い足首にも足枷が付けられていた。雪弥は、オメガだった。 始まりはイカれた研究者が愛犬の死を悲しみ、愛犬を蘇らせようと自分の妻を使って動物実験しただとか、とある軍が生物兵器を生み出そうとしたのが始まりだとか様々な噂があるが、信憑性のないそれらの噂はさておき、人間と動物の遺伝子を掛け合わせて創られた所謂キメラは今も存在している。 これは俺が生まれる前の話だが、海外から輸入されたキメラはペットとして爆発的な人気を博し、町で見かけることも珍しくなかったという。何故現在では見られなくなったかと言うと、端的に言えばキメラと共生するにはあまりにも問題が山積みだったからだ。 挙げていくとキリがないが、まず、飼育が難しいこと。掛け合わされた動物にもよるが、キメラは人間よりも大きく成長し、力も強い。図体ばかり大きくて、知能は劣っている個体が多く、悪さをすると手に負えない。飼い主が殺されるケースもあったそうだ。そんなニュースが報道されると、キメラを捨てたり、殺害する飼い主も現れた。拘束具を用いての飼育も行われていたが、なまじ見た目が人間に近いため、抗議の声が多かった。 キメラは自然界にはありえない不完全な存在であるため、ペットショップで売られる際には去勢・避妊手術が義務化されていた。しかしキメラを使って儲けようと企む輩も多く、去勢・避妊前のキメラを密輸しては交尾させ密売する業者も後を絶たなかった。去勢・避妊前のキメラには発情期があり、繁殖力が強く爆発的に増えていった。そして生殖能力が残っているキメラが捨てられることによって野生の個体が増え、これが大問題になった。現在キメラが見られなくなったのは、各国が野生のキメラの排除に乗り出し、日本政府もそれに便乗したからだ。 だが、これによってキメラが絶滅したわけではない。排除の対象となったのはあくまで野生のキメラであり、各家庭で飼われていたキメラは対象外。キメラ排除と平行して法の整備が進められ、キメラの飼育には国へ届出が必要となり、年1回の健康診断結果の提出、飼育環境の立ち入り調査、ワクチンの接種などが義務付けられた。キメラの密輸や密売への取り締まりが強化され、次第にキメラは町から姿を消していった。 キメラはいつしか呼び方を変え、ペットとして飼育されるキメラをオメガ、それ以外をアルファ、ベータと呼んだ。この呼び方はオオカミの序列制から来ているもので、その区分の決定権は人間にある。アルファとベータの区分は、見た目や頭脳がより人間に近い個体をアルファ、人間の言葉を最低限理解できる個体をベータとした。 元々キメラは生物兵器として生み出されたものであり、今でも戦争に駆り出されたり一箇所に集められて肉体労働をさせられていたり薬品の動物実験に使われていたりしている。それが、アルファとベータなのである。キメラという存在自体に問題が山積みなのに、命を命とも思わぬ扱いに批判の声が大きく、キメラがこの世から消滅しない限りはこの問題は解決しそうにない。 話を戻して目の前にいる少年だが、雪弥がオメガでも対して驚きはしなかった。あえて敗戦後の日本という舞台に敵国の風貌をした主人公を据えるのは、物語を盛り上げる他にも何か作者の意図が含まれているのではないかと思っていた。そう思っているのは俺だけではなく、ファンの間でも度々話題に上っていて、平松先生の実体験ではないかとか実は雪弥はキメラだったんじゃないか等噂されていた。 「耳、触ってもいい?」 問いかけに対して雪弥は肯定も否定もせず、不安そうに久坂に視線を投げかけた。久坂を振り返ると、壁に寄りかかり煙草を取り出して火をつけるところだった。 「いいんじゃない?」 平松先生がいない以上、雪弥の責任は久坂にある。久坂の許可が下りたところで、遠慮なく雪弥の耳に手を伸ばした。雪弥は頭を庇おうと両手を頭上に上げようとするが、鎖に阻まれて顔の高さまでしか上がっていなかった。 白い毛に覆われた雪弥の耳は、弾力があった。人間の耳朶よりも遥かに厚みがあって、本物の犬の耳のようだった。温かくピクピク動くことから、血と神経が通っていることがわかる。うねる銀髪は、人間の髪というよりも獣の毛の感触に近かった。シャンプーのにおいに混じって、人間の皮脂というよりもどちらかと言うと獣臭い匂いがした。 夢中になって雪弥の頭をまさぐっていると、薄い肩越しに半ケツ状態の細い腰と尾てい骨から生えている太い尻尾が目に付いた。尻尾の付け根を握ると、あ゛、と耳元で小さな呻き声が聞こえ、腕の中でビクンと雪弥が体を強張らせた。 「この子今喋らなかった?声帯切り取られてるんじゃなかったっけ?」 「そう聞いてたはずなんだけど……。俺も初めてこいつの声聞いた」 形をなぞりながら手を滑らせ、先端をぐにぐにと握る。柔らかそうに見えた尻尾は思いのほか重量があって固い。 「それより、もうやめてやれよ。セクハラしてるみたいだぞ」 正座をしていたはずなのに、気付いたら身を乗り出していた。慌てて離れると、じとっと雪弥が俺の顔を睨んでいる。よほど怒っているのか、顔を真っ赤にして涙目だった。 雪弥の前に胡坐を掻き、改めてじっくり目の前の少年を観察する。耳、尻尾を除いた見た目の特徴は小説の通りだったが、物語から強烈に伝わってきた生への執着がこの少年からは感じられなかった。どんなに生命力に溢れて、キラキラしている人物だろうと思っていた。やはり、フィクションはフィクションでしかなかった。 痩せ細った小さな体に、黒光りする皮の拘束具が痛々しかった。 「このベルト、外してやりたいんだけどいいかな」 「そいつおとなしいから大丈夫じゃない?足枷外したところで逃げられないし」 「どういうことだ?」 「足首見てみ。傷あるだろ?腱切って歩けなくしてある」 およそ現実的ではない現実に、ただ言葉を失う。雪弥の足首には皮のベルトが巻かれていて確認はできなかったが、きっとそうなのだろう。声帯を切除して声を奪い、腱を切って自由を奪う。いくら相手がキメラだとはいえ、ここまでする必要があるのだろうか。 「……平松先生がやったのか?」 「さあ……さすがに聞けなかった」 「そうか」 拘束具を外す間、久坂の言うとおり雪弥はおとなしかった。そして、両足首には痛々しい古傷が刻み込まれていた。 「アップルパイ食うか?」 雪弥の目の前で持参した手土産を開封する。小説の中の雪弥はりんごが好物だから手土産はアップルパイを選んだ。デパートに寄ったときはまだ平松先生に会えるものだとばかり思っていたので、甘いものが苦手だった場合を想定しておかきも用意していた。 いくら勧めても、雪弥は渡した名刺を握り締めて手を伸ばそうとしなかった。 「甘いの嫌い?」 問いかけに対して、雪弥は返事も首を振ることもしない。俺と目を合わせないように、ただじっとホールのアップルパイを見つめたまま動かなかった。あまりの無反応ぶりに、さっきの呻き声のようなものは気のせいで、雪弥はもしかしたら人の言葉は理解できないのかもしれないと思い始めた。見た目が人の姿に近いから言葉は理解できるだろうという先入観があったが、相手はキメラなのだ。 「お前、よく平気だな。俺は気味が悪くて近寄りたくもないけど」 俺の背中に久坂が声を掛ける。いつの間にか窓辺に移動し、煙草に火を付けていた。窓を開け、煙草の煙を逃がしている。家を出る時にも降っていた雨は依然降り続いていた。 「しばらく預かってほしいんだが、どうだ、頼めるか?」 これが本題。俺をここに呼んだのは、ただ単に雪弥と引き合わせるためではないのだろうことは薄々気付いていた。 「取材か何か?」 「いや。実は先生から譲ってもらったんだが、うちには妻も子供もいるから置いとけなくてな」 「断る、って言ったら?」 「……他をあたるよ」 久坂がフーと長く煙を吐き出した。本当に困っているらしく、眉間には深い皺が刻み込まれていた。そのわりにあっさり引き下がったのは、最初から期待していなかったということだろうか。雪弥を盗み見るが、相変わらず膝を抱えたまま身動きしない。眉ひとつ動かず、全く感情が読み取れない。まるで本物の置物のようだった。 「そんなに長くは置いとけないけど。その後はどうするつもりなんだ?」 俺が引き受けるとは思っていなかったのであろう。久坂は目を丸くし、一瞬動作を止めた。 「その間に何とか新しい飼い主探してみるよ。俺だって、そいつのことは好きじゃないけど殺処分にだけはしたくないからなぁ」 殺処分という言葉を聞いて、ようやく雪弥が置かれている状況を理解した。この子は飼い主に捨てられ、新しい飼い主が見つからなければ殺されてしまうのだ。面倒なことを引き受けてしまったと後悔するが、どちらにせよ、このような形で関わってしまったのだからもう何も知らなかった頃には戻れない。本人は理解しているのか、やはり何一つ表情は動いていないが、心なしか寂しそうに見えた。 雪弥に会えるという一心で仕事を放り出してきたため、すぐに家に帰る必要があった。久坂は明日この近辺で取材があるらしく一泊するそうだ。雪弥を抱えて車椅子に乗せると、車椅子は久坂が押した。耳や尻尾は人に見られるわけにはいかないので帽子やブランケットで覆い隠した。 「飼育や躾に関しては基本的には人間と同じでいいらしい」 雪弥を助手席に乗せ変え、車椅子はたたんで後部座席に積んだ。運転席に乗り込んだ俺に、久坂は大雑把な説明をする。 「近々様子見に行くから」 簡単な挨拶を済ませると、久坂に見送られて車を出した。 日中は暖かくなってきたが、夜はまだまだ冷える。ここは山の中だからなおさらだ。時刻は0時を回っていた。 寒さに耐えかねて暖房の温度を上げていると、横顔に視線が刺さるのを感じた。助手席を見ると、雪弥がさっと目を逸らした。今までずっと置物を相手にしている心地だったから、どのような感情にせよ少しでも俺を意識してくれたことに達成感のようなものがあった。 「雪弥、眠かったら寝てもいいからな」 声を掛けると、雪弥は恐る恐るこちらを見上げ小さく頷いた。思いがけない反応に、つい運転していることを忘れて雪弥の顔を凝視する。すぐに我に返り、視線を前方に戻した。 「言葉、わかるんだ」 また、雪弥が小さく頷く。 「そっか。寒くない?」 頷く雪弥を見て、少しだけ不安が拭われた。最悪寝床と飯だけ与えて後は放っておけばいいと考えていたが、意思の疎通ができるならばうまくやっていけるかもしれない。それと同時に、野良猫を手懐けたときのような充足感と愛しさが込み上げてきた。 もっと色々話し掛けたかったが、横目で雪弥を見るとまぶたが半分降りてきていたので、やめた。 山を抜け、高速道路を走行する間、雪弥はずっと舟を漕いでいた。眠いのは明らかなのに、頑なに眠ろうとはしない。自宅付近に到達するとようやく目を閉じたが、信号などで車が停止するたびに目を開ける。勝手に雪弥に対して親近感のようなものが湧いていたが、雪弥は俺に対して警戒心しか持ち合わせていない。 駐車場に車を停めると、降りて助手席に回る。朝から降り続いていた雨は、高速を降りる頃には止んでいた。助手席のドアを開け、シートベルトを外してやる。 「俺に掴まって」 言われた通りに、雪弥は俺の首に腕を回す。雪弥を縦抱きにして車から降ろすと、ドアを閉めてロックを掛けた。うちは3Kの狭いアパートなので車椅子は邪魔になる。 雪弥を抱いたまま玄関の鍵を開錠し、寝室へ向かう。ベッドの上に雪弥を下ろそうとするが、雪弥は俺の首にしがみ付いたまま離れようとしない。 「雪弥?どうした、もう離していいぞ」 促すと、ようやく腕を解いた。俺と目を合わせようとせず、耳を寝かせ、不安そうに周囲を見回していた。 「俺はちょっと仕事するから、先に寝てな」 緊張を解そうと、なかなか横になろうとしない雪弥に声を掛けた。雪弥が横になるのを待ってから布団を肩まで掛けてやる。 「あ、これ預かるよ。ここ置いとくな」 雪弥の手から俺の名刺を取り上げ、ベッドサイドの時計の前に置いた。渡してからずっと握り締められて、くしゃくしゃになっていた。 寝ろと言ったところで素直に目を閉じることはなく、暖房を入れたり部屋着に着替えている間、ずっと雪弥の視線を感じていた。 人見知りの激しい子なのだろうか。いや、そうであろうとなかろうと、いきなり初対面の男の家に連れて来られたら、誰だって怖いに決まっている。それにこの子は、引き取り手が見つからなかったら殺処分されるのだ。この先のことを想像して、考えることをやめた。考えてみたところで少し預かるくらいが精一杯だし、代わってあげることはできない。雪弥の存在は、荷が重過ぎる。 「電気どうする?消す?」 雪弥が首を横に振った。頷くばかりだったから、意思表示はできないのかと思っていた。 「わかった。じゃあ、おやすみ」 ドアを閉めると、ようやく雪弥の視線から解放された。

ともだちにシェアしよう!