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第1話〜俺と少年〜

買い物が終わり雨の中帰宅しているとふと体育座りをした泥だらけの少年を見つけた。 ずっと下を向いてるし傘もさしていない。 このままでは風邪をひくだろう。 家も近いし俺は傘を差し出した。 その時少年は俺の存在に気づいたのか長い前髪の隙間から見える目とバッチリ目が合った。 「…だれ?」 「ただの通行人。 このままだと風邪ひくだろ? その傘もって早く家帰りなさい。 家がわからないなら送るから。」 少年は分かると言ったのでとりあえずほっとした。 迷子ではなかった… 俺はじゃあなと言って今から走ろうという時に少年に服を掴まれた。 「まって。 僕も連れてって 明日には帰るから。」 ………家出か? でも親御さんは心配しないだろうか 俺が断ろうとすると少年は連れてかないとここで死ぬとまで言い出す。 見た目は高校生くらいだ。 まだこんなに若いのに命を絶ったらきっと両親は悲しむだろう。 俺は仕方なく少年を家に招いた。

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