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第2話〜少年〜

家に入れてとりあえず風呂に入れた。 20分程経つと少年は出てきたのだが……… なんというか… 鼻ら辺まである前髪が邪魔……… 「お前前髪長いな… 目悪くするぞ。」 「大丈夫。」 会話が終了してしまった… こいつは言葉のキャッチボールというのを知らないのだろうか でも俺はこいつの為にも、俺が料理をする時に使うゴムを前髪で結んだのだが驚いた。 泥まみれの時とは想像がつかないほど整った顔立ちだ。 白い肌に大きな瞳。 お風呂上がりで少し頬が赤くなっているがそれもまた可愛い。 「女?」 「は?」 やべ つい言葉に出てしまった。 いやでもこれはどう見ても女に見えるだろう。 髪が少し長いのも女に見える要素なのかもしれないが… 俺がそんなことを考えていると少年のお腹から『ぐぅー』という音が聞こえた。 恥ずかしかったのか茹でダコみたいに顔が赤くなってる… 俺はすぐにオムライスを作って少年に出した。 目がキラキラしてる 意外と子供っぽいところあるんだな 「ありがと」 「え?」 「僕、急に連れてけなんて言ったのにお風呂にご飯まで。 玄関に置いといてよかったのに」 こいつは馬鹿なんだろうか… いや、馬鹿だな。 連れてかないとここで死ぬとまで言われたら連れてくしかないだろう。 それにそのまま玄関に置いとくなんてもってのほかだ。 「ばーか。気にすんな 今はいっぱい食っていっぱい寝ろ」 軽くデコピンをしてからかってやった。 少年は思い出したようにオムライスをガツガツ食っていた。

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