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第8話〜2〜

少しして隣から声がしたので目が覚めた。 隣を覗き見ると南が泣いていたのだ。 「おい、どうした?」 南から返事はなかった。 寝ているのか…? でもなにかブツブツ言っているので耳をすましてみる。 「—ごめん、なさい。 ごめんなさい、僕が全部悪いから、 僕が、出来損ないだから… だから早く、僕を—」 殺して。 そう言っていた。 こいつは何を背負っている… その短い人生で何を背負っているのか… 俺は静かに泣く南の頭をそっと撫でた 南が泣き止むまで… 安心して眠れるように。 そして時間が経つにつれて、南はまた規則正しい寝息を立て、穏やかに眠った。 次に起きた時はもう南とはお別れの日だ。 このままずっと一緒に居たい そう思ってしまう俺はどこかおかしいのだろうか。 そう考えながらも、眠くなってきたのでまた俺は夢の世界に帰るのだった。

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