8 / 207
第8話〜2〜
少しして隣から声がしたので目が覚めた。
隣を覗き見ると南が泣いていたのだ。
「おい、どうした?」
南から返事はなかった。
寝ているのか…?
でもなにかブツブツ言っているので耳をすましてみる。
「—ごめん、なさい。
ごめんなさい、僕が全部悪いから、
僕が、出来損ないだから…
だから早く、僕を—」
殺して。
そう言っていた。
こいつは何を背負っている…
その短い人生で何を背負っているのか…
俺は静かに泣く南の頭をそっと撫でた
南が泣き止むまで…
安心して眠れるように。
そして時間が経つにつれて、南はまた規則正しい寝息を立て、穏やかに眠った。
次に起きた時はもう南とはお別れの日だ。
このままずっと一緒に居たい
そう思ってしまう俺はどこかおかしいのだろうか。
そう考えながらも、眠くなってきたのでまた俺は夢の世界に帰るのだった。
ともだちにシェアしよう!