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第12話〜居たい〜

〜南side〜 ハルは買い物に行ってしまい僕は早速東さんと二人きりになってしまった。 「南ちゃんは髪のリクエストとかあるー? ないならおまかせで切っちゃうけど」 「おまかせでお願いします…」 了解ーと言って慣れた手つきで僕の髪を洗っていく。 東さんは僕に好きな食べ物とか好きな色、行ってみたい場所などいろいろ聞いたり話したりしてくれて随分リラックスできたと思う。 途中で敬語で話すのやめてって言われたから敬語で話さないようにしたけどまだ少し慣れないや… それに最初、ハルの友達っていうからもっと真面目そうな人が来ると思っていたから、東さんのようにヤンチャそうな人が来た時はとても驚いて固まっちゃった。 あと、少し怖くてハルの後ろにも隠れてしまった。 ハルの言った通り、こんなにいい人だと分かった今、僕は東さんに申し訳なく感じている。 「南ちゃんはさ、もう今日でいなくなっちゃうんだよね。」 「うん。会った時に次の日に帰るって言っちゃったから。」 「そっかー。 でもその感じだと家には帰りたくない感じ?」 「まぁ…」 「ならそのままここに居ちゃえば?」 ビックリして思わず振り返るとこだった。 今東さんは僕の髪を切ってくれている。 僕が動いちゃえば失敗してしまうかもしれない。 危なかった… ていうか、そのままここに居るって… ただでさえ今僕はハルに迷惑をかけているのに、ずっとここに居るなんて恩知らずではないのだろうか… 僕が考えてると東さんはくすくすと笑った 「そんな深く考えなくていいんじゃないかな〜 それに晴って優しいからそのまま居続けても何も思わないと思うけど。 てか南ちゃんがずっと居てくれたら晴も嬉しいでしょ!」 そうかな、そうだと嬉しいな…と思い僕は少し笑みを浮かべた。 「それに晴はさ、結構南ちゃんのこと気に入ってるっぽいんだよね〜」 「えっ?」 「あれ、気づいてなかった? んじゃいい事教えてあげる〜 晴はね、気に入った人しかご飯を作ってくれないんだよ 他の人には冷凍とかスーパーで買ったおかずだよ?」 とても意外だった。 ハルは優しいから誰にでもご飯を作ってくれそうな印象があったけど… でも驚きと同時に少し嬉しくもあった。 そして東さんはこういった秘密の話をしたかったからハルを追い出したのかも…と思い始めたのだった。

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