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第44話〜4〜

「もう!南ちゃんの家にまで関わってるのに、南ちゃんに対して無自覚とかどんなタラシだよって話〜! ……んであと一つだけいい?」 「お、おう…」 「晴って恋愛対象が男で抵抗ってある?」 「えっ、まさかお前…」 「違うよ!?俺は両方おっけーな方だけど晴にLoveな訳じゃないから!!likeだから!!」 「ふっ、分かってるよ。 でも、男が男を好きになるのは極一部だろ? 抵抗はないけど俺はないよな〜……ってなんだその顔は。」 「べっつにぃ〜」 いつもそうなのだが、今日の奏斗は特に可笑しい… でも、本当に俺は南のことをどう思ってるんだろう… 前彼女に抱いてた想いと違うのか考えてみることにした。 考えてみて思ったことは、南に抱いてる想いが3年前彼女に抱いてた想いと同じということ。 まじかよ… 自分でも驚きを隠せない だって南は男で、まだ子供で……… いや、これは言い訳にしかならないか。 あぁ、自覚をしてしまったらこれから南にどう接したらいいんだ 自分が自分じゃなくなる様な気がする でも南は俺の事を恋愛対象として見ないんだから、今まで通りでいいのか。 うん、それでいいな。 とにかく、今は南の救出が優先だ。 俺はまた南がまた苦しい思いをしてないか心配で心配で気が気じゃなかったんだと思う。 俺と奏斗が家の外で待っていた時、警察官の会話が耳に入った。 「しかし、その南って子はどこにいるんだろうな…」 「さっき、窓がない部屋があったがそこにはいなかったし…」 ……どういうことだ? 南の話からしてそこが南がいた場所だろう 南がここにいることはわかっている なら何処に… 「おーい!地下室があったぞ!」 そこで俺はハッとした。 南がそこにいるのでは…と 俺はいてもたってもいられず地下室に入っていく。 俺はそこでとんでもないものを見てしまった… 刺されたであろう眠ってる南。 刺したであろう怒鳴っている男。 南の兄であろう不機嫌な男。 どういう状況か分からないが、俺は急いで救急車を呼んだ。 後から話を聞いて、南の兄達がどんなに残酷だったかがわかった。 殺された雪子という女性は、陽向に呼び出されいきなり頭部を鈍器で殴られたらしい。 その後千聖が刃物で刺したらしいのだが、言葉が出なかった。 もうこの2人は一生刑務所から出られないかもな… それに南の父親も、裏の繋がりがある証拠が見つかって捕まった。 藍川家はほんとに終わった。 南がこれを知ったらどう思うのだろうか。 怒る…だろうか 仮にも血の繋がった家族だ。 それを知った時の南の反応が少し怖いと思う でもそれはその時にしか分からないんだから、今考えても意味はないと思い考えるのをやめた。 まずは南の治療が大事だ。 俺の横で静かに眠る南。 このままずっと起きないかもしれない… そんな不安が込み上げてくる。 いや、南を信じよう 俺は時間が空けばずっと南の横にいた。

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