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第43話〜3〜

〜晴也side〜 奏斗のおかげでやはり南は実家にいることがわかった。 俺もやる事をやったので手紙に書いてあった番号に電話をする。 3コール目で相手は出た。 【…もしもし】 「もしもし、藍川家の当主に変わっていただけますか。」 【……あなたは誰ですか。まず名前を名乗ってください】 こいつこそ誰なんだ… 俺は気を落ち着かせた後名乗った。 「俺は北橋晴也です。あなたはどなたでしょうか」 【…陽向だ。何の用だ。父さんには変わらんぞ】 ……やはりすごく警戒している 手っ取り早くいくか。 「いや君はお父さんに変わった方がいいと思うけどなぁ… 君が相手をして、お父さんの大事な会社を潰したくなかったらね」 【ッー!!】 俺の言いたいことは伝わったのだろう。 まぁなんというか、俺の父さんは北橋財閥の総帥をしている。 藍川家の会社を潰すことなんて容易いこと。 そして今回は父さんに連絡をして協力してもらった。 父さんの友達に警視総監もいる。 犯罪に関わってるとなればこちらに協力してくれる。 南の兄達は強姦罪で捕まるだろう。 でも勝手にこんなことをしてごめん、南… けど俺は南が心配で、こうすることしか出来ないから… そう思いながらも俺は行動する。 俺は電話が終わったあと父さん、警察官の方々、奏斗と俺で南の家に向かった。 警察側は前から裏と繋がりがある藍川家を張っていたという。 これはもう藍川家は終わりだな… 家宅捜索という名目で証拠を探すと同時に監禁されているであろう南の救出もしてくれる。 ……有難い 電話で南のお父さんはすごく畏まっていて、あぁ、この人は権力が大好きな人なんだろうな…と直ぐにわかった。 小さい頃からそういった人は嫌というほど見ている。 だからこそ、南のお父さんには余計に腹立たしくもなった。 そんなことを思ってると、不意に奏斗が話しかけてきた。 「こんな時に言うのもなんだけどさ、晴って南ちゃんのことどう思ってんの?」 「…は?」 質問の意図が分からない。 どうって、それは大切以外の何物でもないから… 俺は思ったことをそのまま伝えたのだが、奏斗は何故か変な顔をしていた 「だっ、ちっがうよ! 晴は南ちゃんのことが好きかどうかってこと!」 「好きだけど。」 「は、え!まじ!!??!?」 明らかにテンションが上がった奏斗。 訳が分からない。 だって南は俺と暮らしてるんだし、大切な人なんだから好きに決まってるだろう。 奏斗は俺の顔を見て今度は呆れた顔をしだした。 「……晴likeとLove間違えてる。 俺が聞いてるのはLoveの方!」 …なるほど。 でも、分からない… だってそうだろ? 南は男なんだから好きになるわけないんだから。 そしたらいきなり奏斗に頭を軽く叩かれた。 「何すんだ…」 「晴、3年前も今と同じ気持ちだったでしょ。」 違う…………と思いたい。 だって3年前に彼女に抱いてた想いは恋心だったが、南に恋心が芽生えるわけがない…はず。 そう思わないと、俺はこれから南と顔を合わせる度にまともじゃいられなくなりそうだ… ていうか、何故こんな時に奏斗はこんな話をしたのだろうか? 察したのか奏斗はにこりとした。

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