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第60話〜2〜

「南、落ち着いたか?」 南はこくりと頷く。 「なんで俺が原因かまだ言えない?」 またこくりと頷く。 奏斗は普段怒らないのに、南に怒っていた。 それはきっと南のことが大事だから、ちゃんと向き合っている証拠だと俺は思う。 奏斗は今スマホを持っているだろうか… 俺は南にバレないようそっとメールを送ってみた。 すると10秒もしないうちに返信が… 早すぎではないだろうか。 奏斗も表面上では落ち着いてても、内面はきっと動揺している。 多分、奏斗も南と喧嘩するとは思わなかったのだろう。 現に【少し時間が欲しい】と送られてきた。 了解、と送ったあと、俺はベッドの上でちょこんと座っている南に向き合う。 病室では気まずい沈黙が流れる 俺は何も知らないから下手に言ってしまうかもしれない。 今は黙った方がいいのは分かる。 だが、南も何も話さない… 南はずっと下を向いているが、小さな声でも俺は大切な人の声を耳は拾った。 「…これ聞いても、僕のこと嫌いにならないでね」 「当たり前」 そしてやっと顔を上げ、南は下手くそに笑った。 話を聞いて納得する。 俺がここで仕事したのが間違いだった。 3年前から由理花は精神が不安定になっている。 このままでは南の身に何が起こるか… 俺は由理花の対策を必死に考える。 俺が考えてると今度は南は悲しそうな顔をした後、泣いてしまった。 泣かせて…しまった…。

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