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第72話〜2〜
「ふっ…悩んでる」
僕の様子を見てたハルは気づいたら一人で笑ってた
ハルのその言葉に少しムッとする
何だかまた僕を子供扱いしてる気が…
確かに身長は低めかもしれないけど歳は17だし、もうすぐ結婚も出来る
ハルと僕は7歳差で…
ハルは大人で僕は子供で…
僕達には共通なものが少ない
『本が好き』
それ以外に何があるんだろう
兄がいること?
名前の語数が同じこと?
苦し紛れの共通点…
それだったら東さんも一緒だ
「南?
ごめん、からかいすぎたかも…」
僕が考え込んでいたからハルは僕が怒ったのかと思ったのだろうか
すごく申し訳そうな顔をしてる
「ち、違うよ!
えっと、今思えば僕とハルには共通点が少ないな…って」
「共通点?」
「うん…本が好き、とか」
「…あとは?」
「……………分からなかった」
悲しくなってくる
でも僕とは裏腹にハルはにこりとした
なんで…
でもそれはすぐハルが教えてくれた
「南は大事なことを忘れてるね」
「大事なこと?」
「そ。南と俺、お互いが好きって気持ちは違うの?」
あ……
僕は肝心なことを…
「さ、話は終わったから本題に入っていい?」
本題?
僕が首を傾げるとハルはひどく驚いていた
「南…俺さっき南に何したか覚えてる、よね?」
それは、僕にちゅーを……
え…
うそ、まさか本題って…
「あ、気づいた?」
そして言いずらそうに言うハル
「俺、車の時からずっと南を甘やかしたかったんだけど…
南は俺といるのは嫌?」
「ッずるい…」
ワンコのようになったハルに僕はただただ従うだけ
ハルは優しく僕のおでこにちゅーをした
「ん、やだ、口がいい…」
「でもこのまましたら俺南を襲いそうで怖いんだけど…」
「ぃ…いい、から」
一瞬驚いた顔をしたけどまたすぐに優しい顔になり、今度こそ口にしてくれた
今迄より1番優しい愛撫にドキドキする
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