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第87話〜ぬいぐるみ〜

最初は驚いていた南も最後にはぬいぐるみを気に入ってくれて良かったと思う。 今俺達は車で近くのホテルに行く途中なのだが、その間南はずっとぬいぐるみをぎゅっーと抱きしめていた。 「…気に入った?」 「うん!ありがと!」 信号が赤なので南の頭を撫でると、南にはより一層笑顔が増した ホテルに着いたのは18時頃だった なのでそこで少し早めに夕食を食べる まだ18時といえど客が沢山いる 流石にマスクとサングラスは取らなければいけない だが今日の水族館でのことを思うと……… 俺がうんうんと唸っていることに気づいた南は部屋で食べようと提案してくれた 有難いが申し訳なく感じる……… だが俺は南に甘えることにした 南はハンバーグ 俺はオムライスにした 俺は少しだけ優柔不断なところがあり、何にするべきか迷っていると南もハンバーグとオムライス、どちらにするか迷っていたので俺がオムライスにして半分こしようという話になった ハンバーグを食べた瞬間、南が黙々と食べ始めたので驚いたが、南の顔に『すごく美味しい』と書いてあるので安心する 実を言うと南がご飯を食べるまで美味しいと思ってもらえるか不安だった 俺はいつも南には幸せに思ってほしいから…… それがどんな幸せでも。 そして夕食も食べ終わったあと、南が先に風呂に入ることになったが問題はそこで起きた。 「…南。それ離さないと風呂入れないよ?」 南はむぅ、と頬を膨らませ始めた 可愛い…………だからそうじゃなく! 南はよほど気に入ったのかペンギンのぬいぐるみを離さないでいた ここまで気に入ってくれたのは嬉しいが、風呂に入ってもらわないと困るし、すごく、複雑だ………

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