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第86話〜5〜
その後俺たち2人は水族館内を色々周り、最後に土産コーナーに来た。
「なんか欲しいのあったら言ってね」
「えっ」
「ん?」
「そ、その…買ってくれるの…?」
「勿論」
南は笑ってはいないものの、嬉しそうな雰囲気を醸し出している。
2人で色々見ていくと、ある物に南は目を止めた。
「南?それ欲しいの?」
「あっ、そうじゃないんだけど…ハルとお揃いにするにはこういうふたつ一緒に売ってるのがいいなって…」
俺は可愛いという思いより先に感心した
普通、南ぐらいの歳ならば自分の欲しいものだけ買わないだろうか…
なのに南は俺とお揃いにするためにどれがいいか物色していた…
いい子すぎないだろうか……
そのうち誰かに騙されないか心配になってくるほどだ
「あっ」
すると南は良いものが見つかったのか俺にそれを見せてくれた
それはイルカのぬいぐるみのキーホルダーだったが、中に磁石が入ってるらしくふたつくっついている
「これ?」
「うん!」
「いいじゃん。じゃあそれにしよっか」
俺はレジに行く途中ペンギンの大きなぬいぐるみも持っていった
南は不思議そうに俺を見たが、何も言わなかったので俺からも何も言わない。
買い物も終わり水族館を出た時、俺はさっき買ったペンギンのぬいぐるみを南に渡した。
「ハル?」
「あげる。
俺からのプレゼント」
「えっ!?
も、もしかして僕のために買った…とか?」
「それ以外ありえないよ」
ほんとに驚いたらしく南の大きな瞳がより一層大きくなっている
実は土産コーナーをまわっている際、南はそのペンギンのぬいぐるみを欲しそうに見つめていたのを俺は見ていた
南が欲しいと思うものは基本買ってあげたいし喜んで欲しい。
だが実際南は喜びよりもまず驚いている
これはある意味サプライズなのか…?と思えたきた
南は驚きすぎてさっきから『えっ!あっえ!?』とばかりしか言っておらず、なぜだかだんだんと笑いがこみ上げてきた。
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