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第93話〜朝のキス〜

6時 予定より早く起きてしまい、そっと横を見る。 スヤスヤと眠っていて、南は起きる気配がない。 南に気づかれないよう慎重にベッドから出て、先に準備をする。 テレビだと音で南が起きてしまうかもしれない。 ニュースはスマホでいいだろう。 天気も今日は一日ずっと晴れでほっとする。 いつ間にか時間は過ぎていき、7時半になっていた。 「ん、ハル…」 目を擦りながら南は上体を起こした。 「おはよ」 欠伸をしている南のおでこにキスをする。 一気に眠気が覚めたのかなんと『もう1回』と言ってきた。 ………最近、南が小悪魔と化している気がするのだが…。 いや、それでも可愛いに違いはないからいいのか。 「朝食食べたあとね。 ほら、時間なくなるよ」 「…わかった」 南は急いで準備をした後、1階にあるバイキング形式のところで朝食を食べた。 南はご飯は少し、あとはフルーツやケーキが多かった。 まぁ別にいいのだが、口元に着いた生クリームに南が舌でペロリと舐めると、周りの男共はゴクリと生唾を呑み込んだ。 俺は周りを追い払い、さっさと朝食を食べ部屋に戻る。 南は早く遊園地に行きたいのかソワソワしていて、こういう所はまだ子供らしいなと思った。 荷物を受け取った後、車に詰め込み後は出発だけになったのだが、なかなか出発しない俺に南は質問した。 「どうしたの?」 少し口が開いている南にキスをする。 朝、朝食を食べたあとにすると言っておきながらやらなかった、と言うより忘れていた南に何故か言いずらくそのままにしていたのだが、自分が我慢できなかった……… 南は嬉しかったのか両手で口元を抑えてふふふと笑っている。 可愛い 俺のエネルギーもフルチャージされたのでやっと、遊園地に向かった。

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