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第95話〜2〜

「すごい!ハル!これすごい!風がすごい!」 「ちょ、落ち着いて…」 明らかにテンションが上がっている南。 全然急降下がないので油断しきっている… しかし、このあとすぐ急降下していくのが見える…が、南は俺ばかり見て前を全然見ていない。 「南、もうすぐ落ちるけど…」 「ん?大丈夫だよ!」 いやそれは今までずっと軽かっただけで今からが1番怖いのでは…? そしてその時は来た。 「へっ」 落ちる瞬間のあのふわっとした感じがきた。 そして一気に落ちていく。 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああ!!!?!!??!??!!!?!」 大絶叫であった。 ジェットコースターが終わり、飲み物を持ってベンチに座る。 「南、大丈夫?」 「え?大丈夫だけど…?」 顔が…笑ってない… それに消え入りそうな声だ。 これは全然大丈夫じゃないな… 買った飲み物を南に渡し休憩する。 「ジェットコースターってこんなに怖いものだったんだね… あのふわっとしたの気持ち悪い…」 「……………次メリーゴーランド乗ろっか」 「…乗る」 メリーゴーランドでは楽しめたらしく、南はすごくニコニコしていた。 その後にもいろいろ乗ったのだが、やはり最後は観覧車に乗ると決めていた。 「すごい、綺麗… 夕日が見える!それに人もいっぱい!」 「そうだね」 俺はなんとなく南と向き合って座るのは嫌で移動しようとするとそれは南に制しられた。 「ハルこっちに来ないで。」 「えっ」 「ハルがこっちに来たら僕達2人分で傾いちゃう…」 ……………観覧車苦手な人あるあるではないだろうか。 昔家族と遊園地に言った時も、妹達に酷く言われたのを覚えている。 「大丈夫だって」 「いやでも、」 「ほらジェットコースターの時言ったでしょ? もしもの時は守るって。」 「それってジェットコースターの時だけじゃ…?」 「そんなわけないだろ」 南は両手を頬に添えて俯いている。 こういう所が煽っているんだと思う。 あと頂上まで3分くらいだろうか。 俺は南にある話をした。

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