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第102話〜退院祝い〜
~南side~
まさか、ハルからプロポーズされるなんて思わなかったからすごく嬉しい。
ずっとこうやって幸せが続けばいいのに…
でもハルは優さんからの電話をとると突然慌てだした。
なんだろうか…
でもハルは慌てていても、絶対に安全運転だし、左手は僕の右手と繋がってる
また『好き』の気持ちが大きくなってく…
家に戻るとすごくイライラしてる優さんがいた。
そしてその横で怒ってる東さん。
あの二人が犬猿の仲なんだ…
意外。
東さんってあまり怒らない人だと思ってた。
僕と喧嘩した時は例外だけど……
時は過ぎて、今僕は東さんと2人でコソコソと話している。
何故コソコソしてるかというと、ハルにバレたくないから。
なんでバレちゃいけないのか分からないけど、東さんがそう言ったのだからそうする。
「南ちゃん。」
「?」
「じゃーん。
退院祝いあげてなかったからね。」
「えっ、これいいの…??!」
それはお菓子の詰め合わせだった。
実は僕、あまりお菓子を食べたことがない…
最後に食べたのはいつだったかも忘れちゃった。
「お菓子好き?」
「大好き」
「え〜〜可愛い〜〜何この子〜〜!うちの弟に欲しいわぁ…」
「えっ」
それは、困る………
いやなんでか分かんないけど。
「そんなマジな顔にならないで!冗談冗談〜」
ケラケラと笑う東さん
相変わらず、わからない人だ……
「あ、でもこれハルには内緒ね」
「なんで??」
「えーそっちの方がスリリングで良くない?」
「全然…」
「うそお〜ん」
どんなお菓子があるのか覗いていると、ふと、白い封筒を見つけた。
なんだろう、これ。
中を開いてみると、お金が入っていて驚く。
「南ちゃん可愛い反応〜」
「や、これ貰えないです…!」
「えーもらってよー!南ちゃんの為にいちいち封筒まで買ってきたのにー!」
え、えぇ………
そう言われても困るしかない…………
「………でも本当に、これは受け取って欲しいな。
これで好きなものでも買ってさ、南ちゃんに笑っていて欲しいの。
俺南ちゃん大好きだからねぇ〜!」
そこまで言われると僕はもう何も言えない。
渋々だがお金は貰った。
その時だ。
僕達を不思議に思ったハルが来た。
「何してんの?」
「ぇっ!????!!?いや、別に!??」
あっ…
思わず、お菓子とお金を隠してしまった…
嘘を…ついてしまった…
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