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第103話〜謝ろう〜

「あっ!ハル!」 今すぐホントの事を言おう。そう、思ったのに… 「ちょっとハルくんー?ここの事なんだけどさー、」 「あー、ハイハイ。ごめん南、もう行くわ」 ………言えなかった。 その後も何度か言おうと思ったけど、全然タイミングが掴めずいつ間にか夕方になっていた。 2人とも帰っちゃって、今ハルはご飯を作っている。 今からでも言えないか、さっきからハルの様子を伺ってるけど無理そう… ずっと言えなくて、罪悪感が募っていくのは苦しい… こういうのは早めに言った方が良いっていうのは分かるけど、言いにくい…なんでだろ。 「南」 「えっ?」 顔を上げるとハルは僕の目の前にいた。 いつの間にいたんだろう。 いや、そんなことより… 「料理は…?」 「一通り終わったよ」 「そ、そうなんだ…」 気まずい 何を話せばいいんだ… いつもなら、勝手に言いたいことが出てくるのに、今はそんなの何も無い。 「なぁ南」 「?」 「さっき奏斗に貰ったの何?」 「えっ」 気づいてたんだ… 「…お菓子、とお金…」 「お菓子とお金?なんで?いやなんでは可笑しいか… 普通に土産かもしれないし…」 「あっ、退院祝いって言ってた」 「あぁ…」 何か納得しているハル。 心当たりがあるんだろうか…? 「どうしたの??」 「いや、いつだっけ…この前さ、奏斗からの連絡で、退院祝いのプレゼント贈れなかったってきてたから」 そうなんだ… でも僕が嘘をついたことは変わらないんだ。 うん、謝ろう。 「ごめんなさい。」 「えっ!?」 突然のことにハルは驚く。 「あの、僕さっきなんでもないって嘘ついちゃったから…」 するとハルは微笑んでそっと頭を撫でてくれた。 優しい撫で方… この撫で方は僕が好きな撫で方だ。 「謝ってくれてありがとね。 その気持ちが俺は嬉しいよ」 怒ってくれていいのに… 優しくされて、涙がこみ上げてくる 「ほんとにッ、ごめんなさい…! なんでもするからッ、嫌いにならないで…」 「………なんでも?」 「うん…」 「なら、」 そして何故か今僕はズボンを脱がされてベッドの上にいる…… 「じゃあ南。今日は南が自分で動いてみて」 甘い声… ハルのその声で興奮してきてしまう… こんな変態な僕を、ハルは愛してくれるだろうか

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