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第150話〜前日〜
1番にハルの連絡先をいれる。
これでいつでも話せるんだ……
自然と口元が緩む。
サイン会前日
「うーーーん?うぅ〜〜?」
僕は今、とても悩んでいた。
「そんなに唸ってどうした?」
僕の声を聞いてハルが顔を覗きに来た。
「その……あしたの服が決まらなくて……」
「…へ?」
あぅ…
女の子みたいなこと言っちゃった…
でもでも、ハルと居て恥ずかしくない格好をしたいし…!
「…………くっ、あっははは!」
少し黙っていたハルだったが、急に笑い出してこっちが驚く。
「ハ、ル…?」
「あ、ちが…くくっ」
な、なに…?
訳が分からなくて、僕はただ戸惑うことしか出来ない。
すると今度は抱きしめながら言葉を紡いだ。
「んー、なんか、可愛くて…」
「???」
「ふふ、デート前の彼女って感じ」
彼女…かぁ
今までの彼女さんはそうだったのだろうか…そうモヤモヤしてしまう。
「でも僕は婚約者だよ?」
ちょっと嫉妬してしまった僕が、張り合うようにそう言うと、ハルは『そうだね』と嬉しく微笑んだのだった。
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