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第181話〜決意【R18】〜

 南をベッドに寝かせ、なるべく不自由させないように努める。 「南?なんか欲しいのとかあるか?」 「うぁ、ハル…が、ほしぃ、!」 「うーん……今は難しい、かな。」 そうだ。 急いでクローゼットから俺の服を掻き集める。 「ごめんね。今は俺の匂いで我慢して。」 俺の服を渡すと、南はそれに抱きついた。 「ッハル…ごめんなさっ、ごめんなさいぃ…」 「南?」 「僕ッ、汚いからぁっ、」 「そんなことない。そんなことないよ。」 南は泣きながらそれを口にし、どれほど辛かったのかがよく分かる。 あ、奏斗からメールだ。 どうやら今家の前にいるらしい。 俺は急いで玄関に向かう。 「ごめん、ありがとう。 南を気遣ってインターホン鳴らさなかったんだろ?」 「んふふ、まぁね〜。はいじゃこれ。」 そう言って箱を俺に渡してきた。 この中に入ってるのか…… 「ていうか俺何してたらいいの?」 「えっ。そうだなー。うぅ〜ん…」 俺が本当に悩んでいると奏斗は焦った顔をした。 「え!?俺だけ仲間はずれ!?それはないよ〜」 あ、そうだ。 「花さんに連絡入れてもらえないかな。」 今回の事で俺はある決意をしていた。 「小説家キタヤは次の作品を最後にする。」 「え、えぇ!?ちょ、え、なんで!?」 奏斗はわかりやすく反応している。 「俺、思ったんだけど。 俺がこの顔を世に出していて今こんなふうに起こっている。 もうこれ以上南を苦しませたくないんだ。」 「晴………」 もうこれ以上、誰も悲しまないように……… 「…うん。そっか。分かった。花さんには連絡しておく。」 「ありがとう」 早く、この件を終わらせて俺達は落ち着きたい。  寝室に入ると、南の荒い息遣いが聞こえてきた。 それと同時に、泣き声も。 ごめん南。 ちょっとだけこれで我慢して。 箱からつぶつぶの付いたローターを取り出す。 悲しいけど、南の後攻はもう解れているからそのまま入れても大丈夫だろう。 「ぅあ、んっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ、!!!」 ほぼ絶叫に近い声が南の口から出てきた。 本当は俺が南の中に挿れたい。 こんな玩具じゃなくて、本物の… でも、この件が終わればまた俺はずっとこの家にいる。 だから今だけ、これで我慢して欲しい。 ローターのスイッチをオンにして、俺は家を出た。

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