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由李壮真 彼は自分の魅力をよく知っている人だ。 それに加えて女好き 自分の魅力を武器にして女性を口説いている。 だがここは男子校。 男を口説いても意味が無いと分かっているのだろう。 よく電話で女性と話しているのを見かける。 だが、何故彼が俺に…? 由李くんと俺には接点が何一つない。 話したのもこれが初めてかも……… 「……何か用でしょうか」 「うん! あのさー、今度俺他校の子と合コンするんだけど、イケメン連れて来いってうるさくて… んでそこでお願い!! 合コンいかない!?さくらばくん!」 さくらば………… こいつ…… 俺の名前は『さくらは』だ。 漢字では『櫻羽』と書くので分かりにくいが… 一応俺は訂正してみた。 「さくらばじゃなくさくらはです。」 「え!まじ!?うっそごめ〜ん! えーっと、……名前なんだっけ…?」 「………八千代。」 俺の名前も知らずに合コンに誘ったのかよ… だんだん呆れてきた。 それに由李くんは言動が軽すぎる ほんとにごめんと思ってるのかよ…とイライラしてきた。 いやこれは俺が短気すぎるのか。 「八千代…やちよ…やち………ちよ! ちよにしよう!」 「…は?」 「ん?あだ名」 ん?ではなく… 今日初めて話した相手に渾名? むしろそのコミュニケーション力は賞賛に値する。 とりあえず俺は一言 「合コンは行きません。他を当たってください。」 それだけを告げて教室を出た

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