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イラ…
イライラ…
イライライラ…
俺が由李くんの申し出を断ってから、彼にすごく付きまとわれている…
教室に戻ったらまだクラスにいたし、授業が始まるギリギリまでいて何故ダメなのかずっと聞かれた。
授業が終われば直ぐにくる。
俺がC組
由李くんがD組
何故クラスが近いんだろうか…
遠ければ由李くんが来る前にどこか逃げられるのに。
そして昼になった。
俺はいつも昼食の時は教室ではなく空き教室で食べている。
誰にも邪魔されなくて、1人でいられる。
何かあった時もいつもここにいた。
……………なのに、いつの間に由李くんが着いてきたのか、今俺と由李くんは空き教室で2人きりになっている。
「へぇ、いつもこんな所で食ってんの?
てかここ異様に綺麗じゃね?」
「俺が居残りしてまで掃除したので。」
「うっわ!すげぇ〜!
えっ俺これ入っていい?」
もう中に入って来てるだろ!
……なんて言えるわけもなく、俺はただ黙った。
今俺ができることは急いで昼食を食べて急いでこの教室を出て鍵を閉めて逃げること。
ただそれだけ。
実は俺の潔癖症を知っている担任が、この教室を毎日貸してくれることになった。
こういう理解がある人が身近に居るのは、すごく、有難い。
俺が弁当を食べてると由李くんも勝手にそこで食べ始めた。
「なぁ、ほんとにダメなの?」
「しつこい。」
今日何度目かもわからない『ダメ?』にまたもやイライラゲージが溜まっていく。
その時だ。
1つの机で俺たち2人は向かい合って食べているので、由李くんの足が当たった。
しかも、外底だ。
…汚い。
トイレに入ったかもしれないシューズが俺のズボンに当たったのだ。
汚い。汚い。汚い。
イライラゲージもついに突破してしまい、俺は………
「チッ」
普段しない舌打ちをしてしまった。
それを聞いたのか、由李くんもすごく驚いている。
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