4 / 9
4
「えっ?」
「あっ、えっ…こ、これは違くて…!」
何がどう違うんだ…
自分でも何を言っているのか分からない。
すると急に由李くんは笑いだした。
余計意味がわからない。
「……は?」
「くく、あっごめん!ちよって舌打ちとかするんだ〜って思って!」
「…普段はしません。
それにどこが面白いのかサッパリ。」
「えー?だって普段感情を出さないちよが舌打ちしたんだよ!?
それってそれって、俺がちよの心をいっぱい動かしたってことじゃん!?」
つまり…………
由李くんが笑っていたのは…
「嬉しくて?」
「んふふ、そうとも言うね〜」
今の笑い方には決してツッこまないぞ。
「てか話変えてもいい?」
絶対この話に飽きただろ……
「…どうぞ」
「ちよってなんで敬語で話してんの?
俺とタメでしょ?」
「あ…。これは、癖です。」
そう、ほんとに癖。
人と関わらなくなって、結構時間が経ってしまった。
そうすると、どう接していいかわからず、どうしても敬語になってしまう。
「じゃあ試しに俺にタメで話してよ!」
「無理」
「えー!なんでよー!仲良くなろー?」
それは…
合コンに誘いやすくするために仲良くなりたいのでは…
こんな考えに至ってしまう俺は、醜いとしか言い様がない…
ともだちにシェアしよう!