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その時、チャイムが鳴った。
「あぁもう、由李くんと話してたら食べる時間がなくなってしまった。」
「ごっめーん!」
そういう由李くんはちゃっかり完食している。
いつの間に食べたんだ…
「ほら、さっさと出てってください。
授業が始まります」
「えー!さぼろーよー!」
「サボりません」
由李くんはちぇ〜と言いながらどこかへ行ってしまった。
どうやら彼は授業を受ける気はないらしい…
でもそんなの俺には知ったことではない。
俺はさっさと戸締りをして教室に戻った。
俺の席は窓際で、グラウンドがよく見える。
だから体育をしているクラスがあるとすぐ気づく。
ふと見たらそこには由李くんがいた。
…つまりこのクラスはD組か。
なんだ。
ちゃんと授業には出るじゃないか。
ならさっきはどこへ行ったのかとなるが、トイレだろうな。うん。
俺は無意識にずっと見つめていたらしく、視線に気づいた由李くんとバッチリ目が合ってしまった。
…やばい
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