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オマケ:郁瀬Side
悠が家に来ました。
「郁瀬!今日はこのゲームやろ!」
「いいけど、ズルはなしだよ?」
「おっ、俺がいつズルした…っ!そんなことしねぇやい!!」
今日も凄く可愛い。
「おりゃっ!くらえ!!必殺ぁああっ!?おい!ちょっ!!」
「残念でした、俺のが先〜。必殺ビッグボンバー。はい、ドーン。」
悠が必殺技を使うタイミングを見計らって、俺が一撃で悠のキャラのHPを全部奪った。
「な…っ!」
口をパクパクさせて、loseの文字と悠のキャラクターが倒れてる画面を見てる。
本当に可愛いなぁ。
悠と付き合って数週間、毎日のように俺の家に来てはゲームをしたり、漫画読んだり…。
付き合う前とは然程変わりないけど、恋人ってだけでこんなに違うものなんだと感じる。
「はぁー、せっかく力ためてたのに…。俺の必殺技、ダイナミックボムが……。」
「ふふっ、まだ言ってる。」
初めは、これが恋だって思わなかった。
ずっと親友だった悠との距離が近すぎて、気が付かなかったんだ。
「絶対わざとだろ、タチが悪い!」
「悠の考えてることがバレバレなんだよ。…それより、こっちきてよ。」
「…っそんな手広げても、膝の上なんて乗らねぇからなっ!」
もちろん、莉乃のことは遊びじゃなく本気だった。けど、今思ったらキスどころか、手すらあんまり繋いだ記憶がない。…そこまで強く、したいって思わなかったのも、事実だ。
「じゃあ、どこに来るのさ。」
「だって…!…恥ずかしい…。」
合コンって聞いた時も、悠から言われた時の方が明らかにモヤモヤした。
「…告白の時は、自分からキスまでしたくせに?」
「な…っ!そ、それは…、その…っ!」
あー、あの時は本当にびっくりしたなぁ。
まぁ、俺が恋って気が付くキッカケみたいなもんだったけどね。
「悠、お願い。」
「…す、少し、だけだぞ…。」
「うん。」
悠は顔を赤くさせ、ゆっくり俺の膝に跨った。
「い、郁瀬は、ズルいんだ…。」
「ん?」
「俺が断れないの、知っててやるもん…。」
なんて、目を逸らして言った。
ああ、この状態でそんな顔してそのセリフは…誘ってるとしか思えない。
「悠、好き。抱いていい?」
「……っ!そ、そういうこと、わざわざ聞くなよ!ばか郁瀬っ!」
「可愛い。…ね、俺のこと桃って呼んで?」
「はっ!?い、郁瀬で十分だろっ!」
「悠、お願い。」
「だ、だからズルいぞ…っ!ばか……桃っ!」
「ふふっ、よくできました。」
そんな悠は、きっと明日も明後日も、可愛いんだろうな。
-FIN-
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