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涙で滲む視界で亜鷹が困ったような拗ねたような表情で昴の顔を覗き込んできた。
「な、泣くなよ。ちょっとやりすぎたとは思ってる」
自分が泣かせたと思っているのか、大きな身体をしゅんとさせて小さくさせている姿に不覚にもキュンとしてしまった。
やれやれ、昴よりも強くて男らしい獰猛な鷹のくせになんでこんなに可愛いのか。
泣かせてるの意味は違うが、昴はあえて否定せずに亜鷹の逞しい首に腕を回した。
「反省したなら早く続きしてよ。亜鷹も限界だろ」
ポカンと開いた唇を誘うように舐めると、亜鷹の背後から無数の羽が甘い匂いと一緒にブワッと舞い上がった。
鼻腔から突き抜ける亜鷹の強烈な匂いに誘われて後孔が愛液を分泌し、それがとろりと太股を伝っていくのがわかる。
「っ…、煽るな」
亜鷹は険しい表情になると、昴の背中から双丘を掴み左右に割り開いた。
泡の滑りと昴の淫蜜に濡れたそこを確かめるように亜鷹の指が埋められていく。
粘液を纏わせた指が出入りするたび、昴は甘い声で喘ぎながら亜鷹にしがみついた。
「あ…亜鷹、もう…挿れて…っ」
強請るように視線を向けると、亜鷹は低く唸りながら昴の柔らかく綻んだ淫靡な孔から指を引き抜いた。
昴の陰茎と擦られていた亜鷹のそれはすっかり膨張してまるで太い杭のような雄々しい姿になっている。
亜鷹は昴の細腰を軽々と抱え上げると腕を回すよう促した。
「掴まってろ」
膝裏に腕を入れられ宙に浮いた昴の後孔に、狙いを定めた亜鷹の熱い塊が沈んでいく。
「んんっ…っ、んんぅっ…ああぁぁ!!」
待ちに待った挿入に肉体は喜悦に震え、挿入と同時に吐精してしまった。
甘い匂いが更に強くなり、繋がった場所から熱いとろみが糸を引いて垂れ落ちていく。
それはまるで悦びの涙のように亜鷹の昂りを濡らし、結合部の動きをスムーズにした。
ずっぷりと男根を沈めながら、亜鷹が荒く息を吐く。
「昴…キツくないか」
「ん…っ、いい、いいっ…」
素直に快楽を口にすると二人はねっとりと舌を絡めて口付けた。
その目はしっかりと開き、互いの感じる姿を捉えている。
「昴、愛してる。ずっとだ」
律動が強く激しくなる中、熱の籠った眼差しとともに囁かれて昴はポロリと涙を零した。
何度も抱かれているのに、こうやって愛されている事が嬉しくてたまらなくなる。
どんどん亜鷹を好きになっていって、このままどれだけ好きにさせるつもりだろうか。
「僕も…っ愛してる…」
切れ切れに喘ぎながら昴も応えると、中にいる亜鷹が一層膨らむ。
それに合わせて昴の媚肉も収斂を示すと、二人は同時に絶頂を迎えた。
「それで、これからはちゃんと入るんだよね?」
あれからヒートアップした二人は泡を流し、ベッドになだれ込むと気のすむまで愛し合った。
番いだからかわからないが、一度火がつくとなかなか治らずこうして時々…いや、しょっちゅう時間を忘れて繋がってしまう。
亜鷹の風呂嫌いのために一緒に入っただけなのにまさかこんな乱れてしまうなんて思ってもみなかった。
腕枕の中で昴の髪に甘えるように顔を擦りよせていた亜鷹がピクリと肩を震わせる。
「まさかまだいやだとか言わないよね?」
「あ〜」とか「ん〜」とか言葉を濁らせる亜鷹の頬をつねりながら昴は詰め寄った。
「昴が一緒なら入ってやってもいい」
顔をほんの少し赤らめながら亜鷹がボソッと呟く。
本当にわがままで意地悪で強くて逞しくてかわいい鷹だ。
「変態」と罵りながらも、昴は亜鷹に抱きつくとまた甘い匂いを漂わせたのだった。
end.
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