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「ほら、っ、昴も一緒に擦れよ…」 「ふ……うっ…そんな、ん…無理」 泡にまみれぴったりとくっつけられた二本の性器に亜鷹の長い指が絡みつく。 ぬるついた性器が擦れ合うだけでえもいわれぬ快感が襲ってくるというのに、それを手の平で上下に擦られるとあっという間に射精感が込み上げてくる。 甘い声は風呂場に反響していつもより大きく聴こえて恥ずかしいし、一緒にしろと片手を掴まれて股間へ導かれたもののどうしていいかわからない。 「わからないって、昴がこうしてるの見て覚えたんだ。やってただろ」 「…っ!!!」 こうやって…と言いながら、亜鷹が彷徨っていた昴の手と一緒に陰茎を激しく扱く。 亜鷹は昴が発情期(ヒート)の時に、必死に自分を慰めていた行為のことを言っているのだ。 鷹や鷲の視力は人間の視力からすると8倍もあって、望遠レンズと同じ構造を持っている。 鷹小屋からは昴の寝室の中まで少し離れているが亜鷹の視力ならきっと全部見えていたに違いない。 けれどこんな風に揶揄うなんて… 「んんっ…ほんっと最低…っ!…」 目元を上気させながら、それでも渾身の力を込めて亜鷹を睨み上げる。 すると亜鷹の眼差しがフッと和らいだ。 「冗談だ、怒るな。そんなかわいい顔で睨まれるともっと泣かせたくなる」 意地悪く囁きながら宥めるようにキスをされて、舌がねっとりと絡みつく。 肉厚な舌に口内を掻き回されて甘い吐息を何度も交えたら、結局亜鷹の悪戯も意地悪も許してしまうのだからつくづく自分はだなと思ってしまう。 濃厚な口付けはますます二人の性欲を煽りたて、いつの間にか昴も夢中になって性器を擦り付け、また互いのものを扱きあった。 浴室はボディソープの泡と、欲情を表す羽がふわふわと漂っている。 「ビクビクしてる。もうイキそうか?」 張りつめた陰茎の先端の溝を指の腹でクチュクチュと捏ね回されて、昴は片手で亜鷹にしがみつきながら必死に頷いた。 「昴、顔隠すな。こっち見ろ」 「や、やだよ…っ、なんで」 今にも達してしまいそうなみっともない顔を見られるなんて羞恥以外なにものでもない。 いやいやと首を振ると、今にも爆発しそうな屹立の根元を痛いくらい握り込まれてしまった。 「言う事聞かないとイかせてやらないぞ」 「ひぃん…!!」 握り込まれたまま、先走りでヌルつく先端を手の平で弄ばれて昴はおかしな悲鳴をあげてしまった。 イきたくてもイけないのは辛い。 甘い声で再度脅されて、昴は仕方なく顔を上げた。 男ぶりのいい亜鷹が熱の籠った眼差しで昴を見ている。 その視線だけで心臓が破裂しそうなほど高鳴り、亜鷹を見つめる昴の視線にも熱が籠った。 こうして見つめ合っているだけで改めて自分がどれだけ亜鷹が好きで、また亜鷹がどれだけ昴を求めているかがわかる。 「好き」が溢れそうだ。 そう思ってふと泣きたくなった。

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