この世界には獣人族と人間族の二種族の知的生命体が存在していた。還れぬ森を境に互いに交わり合わず独自の文化を持って生活していた。 人間族は、発情期のあるΩを迫害し社会から断絶させていた。αの一家で育った人間族のアサトは思春期にΩとして覚醒してしまい、家族に捨てられΩ宿に売られた…そこにさらに迫害の対象となっていた半獣人のシィが囚われていた。同じ檻に入れられ同じ時を過ごすうちにお互いを必要としあうようになるが… そんな時、Ωをこの世から排除しようとする過激派α集団にΩ宿が襲われる。 アサトとシィは命からがら逃げ出して、人間の脅威から逃れるため獣人族の棲む還れぬ森へと身を投じた。 そこで出逢った獣人族の長(おさ)ラウは、野蛮とはかけ離れた優しい狼獣人で…手厚く保護されて次第にアサトはラウに惹かれて行くのだった。 ラウも同じ様に芯の強いアサトに惹かれていき、遂には身体を交える関係に…両想いになったふたりだが、簡単にはツガイになれない理由があって… 隠れながらでも愛を育んでいくラウとアサト。 しかし、ラウの弟レイはラウに近づくアサトをよく思っておらず… 本編へ…。