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48《月明かりの下》

月明かりの下、二人だけの時間が過ぎて行く。 ラウはアサトが身に纏うマントの結び目を解き、ずらしながら、慈しむように、身体を舐めて、優しく藁の上に押し倒す。 「…っん、ハァ…綺麗…」 「ん?」 不意にぽつりと呟くアサトに首をかしげる。 「ラウと、月と星空…」 「あぁ、」 ちらりと振り返って、夜空を見上げる。 天気が良く月と星が綺麗に出ている。 「はじめて繋がった時も、外だったな」 思い返すようにアサトが呟く。 「ラウ、月を背負って、キラキラして、カッコ良かった…」 「アサトも似合うと思う」 優しく柔らかな赤毛を撫でながら伝える。 「じゃ、見てみる?」 「ん?」 「ラウ、ちょっと寝転んで」 「こうか?」 言われるまま、藁の上に仰向けになる。 「そう、」 「アサト」 するとアサトはラウの腹に跨るように座って上から覗き込む。 「どうかな?後ろに月と星が見える?」 「あぁ、この角度から見たのは初めてだ…アサト、凄く…綺麗だ」 さらさらと落ちてくる長い赤髪を片手で撫でながら、月明かりに透けるようなアサトをドキドキしながら見つめ微笑むラウ。 「ふ、オレも。長のラウにこんなことしたらみんなに殺されるかな」 大きなラウを見下ろしてる…不思議な感覚。 相手の上に乗る行為は、獣人の中では順位を明確にする役割もある。 一番偉いラウに乗るなんてこと、本当は絶対ダメな筈だから… 「そんなことはない、アサト…獣人は故意に同族の命を奪うことはしないから」 「……でもオレ、ラウ達の同族じゃないから…」 どんなに似せようとしても、人間は人間。 ガイルやレイが前言ってたように、人間には誓約がない、いつでも殺せる対象だから… (むれ)から外れれば… 常に、命の危険は付き纏う。 「アサト、お前はもう俺の家族だ、誰にも手出しはさせない」 「うん、ありがとう、オレたちをちゃんと守ってな」 「あぁ、アサト、もちろんだ」 少し上体を起こし、アサトに優しく口づけする。

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