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64《新しい家族》休載

「ラウ…」 1時間ほどして目を覚ますアサト、瞳を開きながら無意識にラウを呼んでしまう。 「あぁ、ここにいる」 すぐそばで声が聞こえ、視線をあげると優しい眼差しの大きな獣人。 存在に安堵しながら、腕の中にいる小さな命にそっと触れる。 「ふふ、かわいい」 少し毛が乾いてきてふさふさの柔らかい毛に覆われている赤ちゃん。 横になりすやすや眠る新しい命を見つめ自然と言葉が出る。 「男の子だな」 ラウも仔に触れながら囁く。 赤ちゃんは、ほぼ、ラウと同じ獣人の姿をしていて、毛色は赤毛の元気な男の仔。 「男の子か…良かった、ラウに似てる」 まだ鼻ぺちゃだけど、ラウに似て耳や尻尾が獣人の位置にある。 「毛色はアサトに似ているな、この仔はαだ」 「分かるの?」 「あぁ、だいたい匂いで分かる」 元気な男の仔のα。 「良かった、本当に」 「あぁ」 仔の見た目をアサトが心配していたことを知っているため、優しくアサトの頭を撫でながら頷く。 幸せな時が流れていき… いつの間にか、日が昇り、小鳥のさえずりが森の朝を告げる。 しばらくして、シィも起きて寄ってきて、新しい命の匂いを嗅いで不思議そうにしている。 「オレとラウの赤ちゃんだよ」 「あか?」 首をかしげるシィ。 「うん、ラウ、この仔の名前どうしよっか」 「そうだな、アサトはつけたい名前があるか?」 「『りお』とか『りと』かな、ラウは?」 「なら、リトにしよう、アサトの一字が入る」 「ラウの字はなくていい?」 「あぁ、アサトが頑張って産んだ仔だからな」 「うん、じゃ…リト、愛してる。シィ、リトだよ」 すやすやと眠る小さな命に触れ、頬にキスを落とし、シィに伝える。 「リト?…りと!りと!」 嬉しそうに尻尾を振るシィ。 「うん、仲良くしてやってな」 そんな様子を微笑ましく見つめる。 こうして、無事種族の壁を超え、新たな命を授かることができた。 これからどんな風になっていくのか、今はまだ解らないけれど、この仔を、家族を… そして(むれ)を守って、獣人族の(おさ)ラウと供に、何があってもこの森で生きていこうと誓うのだった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 悠希乃諒です。ここまで読んでくださってありがとうございます^ ^ハートやポチ評価コメント凄く嬉しいです!創作の励みになっています! 突然ですが【還れぬ森のΩとΩと獣人α続】休載のお知らせ。 キリが良いので少しわがままをσ(^_^;) 最近多忙になり、体調の方がまた芳しくなく、悪化しないためにも少し休憩しながら創作しようと思います。 まだこの話はまだシィの話とか、すべて書ききれてないので少しお休みして調子が戻ったら、また物語を紡いでゆきたいにと思いますのでその時はよろしくお願いします^ ^ あとは先日、ふと思いついて書いたコンテスト用、梅雨のお話をもしかしたら公開するかもしれないですσ^_^;大学生とホームレスのおじさんのお話。どちらもノンケなので、えろはなしで行こうかなという感じ。 気分転換と練習がてら書いたものですので、内容は薄いですwもし公開出来たらお暇があればそちらも覗いていただけたら嬉しいかな、やっぱり切なめにはなると思います。 (今後の更新予定はアトリエブログに書こうと思っています、今日は時間なくてすみません) いつもありがとうございます(*´ω`*) 20190620悠希乃諒。

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