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第11話※

俺が元の世界へ帰った後、クラウスはお城の側にある自分の館へ戻り、あの建物は荷物もそのままに封鎖したらしい。 クラウスの私室へ通された。 クラウスがずっと過ごして来た場所……物珍しく周囲を見回す俺の横にクラウスが腰を下ろした。 「…………」 「…………」 お互い沈黙して……何を何から話していいか分からない。 「「あの……」」 お互いの声が重なり、また沈黙が続く。 「……元気……だった?」 我ながらなんて間の抜けた質問だろう。 「ああ……まあ……拓斗は?」 「俺もまあ、それなりに……」 ぎこちない時間が緩々と進む。 「……拓斗は……」 クラウスは自分の手を見つめながら言葉を漏らした。 「自分の世界へ戻っても俺を愛し続けてくれていたんだな……」 愛が届いていた事に嬉しくて、でも自分の執着心の強さに目を伏せた。 もしかしたら俺の気持ちにクラウスは迷惑していたのかもしれない。 「お前は元の世界へ帰る事が幸せなんだと……俺は自分の弱さをお前の所為にして逃げてしまった」 「クラウスの弱さって?」 俺を見て微笑んだクラウスが、俺の手の上に手を重ねて握りしめた。 「拓斗、パルミナの花を咲かそう。花が咲いた時……俺は強くなれる気がする」 「花を咲かそうって……良いの?」 「拓斗と愛を深めたい……どんな事にも負けないくらいの絆が欲しい……」 「クラウス……俺も確かめたい……」 ……真実を。 ゆっくりとソファーに体を倒され……唇が優しく重ねられた。 クラウスの舌がゆったりと唇を割って入り、舌を絡められ、お互いの熱を確かめ合う。 「ん……んん……」 優しい動きに誘われて、俺の中心に熱が集まり出した。 腰を引こうとしてクラウスの腰を押し付けられ……クラウスのモノも固く興奮を示していた。 口付けを交わしながらクラウスの手がズボンの中へ滑り込み俺のモノを撫で上げる。 「あ……んあぁ……あ……」 前回、体を繋げる事に躍起になってお互いの快感を高める事に気が回らなかった。 俺もクラウスのモノへと手を伸ばした。 慣れたヌメリが俺の手を濡らしていく。 互いのモノを刺激しあい……俺が先に根を上げた。 「クラウスお願い……挿れて……クラウスを全身で感じたい」 ズボンを脱がされ、晒された孔に粘度のある液体が触れてクラウスの指が戸惑いがちに入ってきた。 「ん……」 「大丈夫か?」 「へ……いき……」 気遣う様に声を掛けられながら、クラウスの指に解されていく。 むず痒さと恥ずかしさで伏せた顔を持ち上げられ、深い口付けを与えられる。 「ん……」 指が引き抜かれ……添えられた熱に無意識に体が痛みを思い出して硬直するが、クラウスが心をおちつかせようとする様に指を絡めて手を握ってくれた。 「んん……んぅ……」 ゆっくりと……でもしっかりとした存在感を持ちながら俺の中へクラウスのモノが進み込んで来る。 繋がった場所から燃える様に熱くなる……。 俺の様子を伺いながらクラウスは抽送を始めた。 クラウスのモノが波の様に押しては引いて……引いては押してを繰り返す度に強い快感の波を運んで来る。 「あ、あぁっ!あ、ふあぁっ……もっと……もっと深く!クラウス!!……ああぁっ!」 痛くなんて無い、ただ愛しさだけが脳を灼く。 抱きしめられて、強く奥を突き上げられる。 「拓斗……もう……イク……」 「俺もっ!もう…あっ…あ、あ、あ……あぁぁぁぁ……」 俺が果てると同時にクラウスのモノも俺の中で震えた。 息を整え、見つめ合いながら、微笑み合って…… 「拓斗、愛してる」 嬉しそうに微笑んだクラウスの顔に……涙が溢れた。 クラウスの愛が染み込む様に温かい物が体を巡る。 初めての時と全然違う。 心の底から込み上げてくる様なひたすらに巡る幸福感……と、そして違和感。 その違和感が何なのか……探ってはいけないと心が騒いでいる。 それでも違和感を追いかけた。 その先に答えがある……クラウスとパルミナの花を咲かせる事が出来ない理由。 その為に戻って来たんだから……。 二人で花を……愛を咲かせる為に……。 頭の中に……あの日の光景が流れていく。 『構わん、神子の愛さえ奪えば神子の頭が壊れていようがいまいが関係無い』 俺に薬を飲ませるガバルの顔。 俺を抱いたクラウスの綺麗な顔。 次に目覚めた時、悲しそうに俺を見つめる傷だらけのクラウスの顔。 『せいぜい甘い夢に溺れるが良いさ……』 クラウスは俺の名前を呼んだ事はなかった。 俺が側で笑う度にクラウスは傷ついた顔をした。 ああ……そうか……。 そうだったのか……。 俺が隣にいることは……クラウスにとって苦痛だったな。 俺は自分の幸せを願うあまり……クラウスを傷つけてしまっていた。

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