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それは違う23※
……気持ちいい……。
修平のあの長くて細い指が、自分のモノに直接絡みつく。それだけで一気に煽られてうっとりする。
「いい声。あなた、ほんとにやらしい」
修平の掠れ声も、すごくいい。耳から入って脳みそを蕩けさせる。
「擦って、欲しい?」
拓斗はすかさずコクコクと頷いた。
「ん。じゃあもっと脚、大きく開いて」
羞じらうより前に、勝手に身体が動く。こんな格好、修平のことが好きじゃなかったら、絶対にしない。
「あ、待って。服が邪魔だな」
修平は両手を伸ばして、尻までずり落ちたスラックスと下着を掴むと、
「お尻、あげて」
まるで操られるように足を畳に突っ張らせて腰を浮かすと、スルッと脱がされた。
肌蹴たワイシャツと黒いソックス。もう、それしか身につけていない。
「うん、いいね。じゃあ両脚、横に開いて」
この体勢だと、目の前にあるのは奥の押し入れの襖だ。
拓斗はホッとした。
修平はこの体勢でえっちをする時、逆側の庭に通じるサッシ窓に身体を向けさせることが多かった。ここは、変則的な造りの2階になっていて、サッシを開けるとベランダと小さな庭がある。開放的な気分でえっちしたいから、と、修平はこの大股開きを庭に向いてさせる。誰が通るかも分からないその状況は、すごく恥ずかしくて緊張したのだ。野良猫が通り過ぎただけで、身体が竦んだ。
あれに比べたら、押し入れに向かってする方が全然マシだ。
「そのまま脚、開いててね。閉じたらやめるよ?」
軽く脅されて、拓斗は首を竦めた。
昂るだけ昂らされて、放置されるのはもうゴメンだ。昼間の資料室でのことを思い出して、冷や汗が出る。
「ちょっと待っててね」
不意に、修平はそういうと、背後で立ち上がった。急に支えを失って、後ろに倒れそうになり、拓斗は慌てて両手を畳につく。
どうしたのだろう?と修平を目で追うと、引き出しから何かを取り出して、押し入れに向かう。そして、押し入れの襖をカラッと開けた。
「っ」
ビックリした。そこにはみっともなく両脚を開いて座る自分がいる。いや……正確には、そういう自分が映っている。大きな姿見に。
「新しく買ったんだ。邪魔になるからここに収納してる」
修平は事も無げにそう言うと、クルっとこちらを向いた。
拓斗は我に返り、慌てて脚を閉じかけた。
「言ったよね。閉じたらもう、しないよ?」
その言葉に拓斗は動きを止めた。
もう、ペニスはすっかりその気になり、勃ちあがって股間で揺れている。
ここでお預けなんて……絶対に嫌だ。
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