114 / 164

トライアングル29※

修平は掠れ声で囁くと、だらんとしていた手に力を込めた。 ようやく……触ってもらえる。 修平の指先が下腹をさわりと撫でる。トランクスのウエスト部分を撫で、隙間に指先を引っ掛けた。 ぞくぞくぞくっと甘い熱が走り抜ける。期待に自分のソコがひくりと震えた。 ゆっくり潜り込んでいく骨ばった指が、柔らか腹をなぞり、薄い体毛をさわさわと撫で回す。その度にペニスがひくりひくりと震えてしまう。 「ふふ。大きいな、あなたのここ」 周りから包み込まれるようにして握られた。 「んふぅ……っ」 「ああ……熱い。先っぽ、もう濡れてるね」 修平はため息のように呟いて、片手で握り込みながら、もう一方の手でトランクスをペロンとめくると、その手も熱芯に添えた。 修平の両手で直接包まれているだけで、気持ちよくてじわじわと熱があがる。 ……あ……いい……イッちゃいそう…… 勝手に腰が揺れてしまう。 恥ずかしい。まるで獣みたいだ。 でも……もっともっと、感じたい。 拓斗は塞がれた口から甘重い呻き声を漏らしながら、腰を前後に動かし始めた。 修平は握ったまま動こうとしない。だから仕方なく自分が動くのだ。後ろめたさと恥ずかしさを自分に言い訳しながら、拓斗はもじもじと腰を揺らし続けた。 「いやらしいな……あなた」 修平は嬉しそうに呟くと、握る指に力を込め、じわじわと動かし始めた。 「んんんふぅ…っ、んぅっ」 自分で動くのとは全く違う。ビリビリするような快感に、拓斗は仰け反り首を振った。 狂おしいほどの甘い疼きが奥からどんどん沸き起こる。 ……ああ、ダメ。イッちゃ、うっ 急激にせり上がってくる。拓斗は熱の解放を感じて背中を反り返らせた。 「ダメだ。まだイくな」 修平の手がぎゅっと根元を押さえる。 「んんんんっっふぅっ」 出口をなくしたマグマが逆流し、あまりの苦しさに涙が溢れた。 ……やだ。離してっ。イくっ、イきたいっ 悶える拓斗に修平は伸び上がって耳に口を近づけてきた。 「声、聞こえちゃうよ、紘海に。もうちょっと我慢してね。もっと気持ちよくしてあげるから」 言いながら、片方の手を外し、尻の方へと伸ばしてきた。 「力、抜いてて」 窄まりを指が押し開く。何か小さな固いものがつぷっと押し込まれた。 「っ?!」 この感触は……カプセルだ。 拓斗は息を飲んで目を見開いた。 「これも、入れてあげる」 こちらの目を微笑みながらじっと見つめて、修平がポケットから取り出したのは、ピンク色の小さなローターだった。

ともだちにシェアしよう!