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トライアングル31※
「気持ちいい?」
いい。おかしくなりそうだ。
いつのまにかペニスには、射精管理用のシリコンの拘束具が装着されている。身体の奥を震わせるローターは修平の指で、キツすぎないギリギリの場所に固定されていた。気持ちよすぎて腰がうねる度に、刺激が強くなったり弱くなったりする。それがすごくよくて、意識的に腰を揺らしていた。
熱を放出する直前の高揚がずっと続いている。
塞がれた口から漏れる、自分の獣じみた呻き声。羞恥だとか、紘海に見られたらどうしようという思考が、与えられる悦びにぐずぐずに溶けていく。
「ねえ、拓斗。あなたがこんないやらしい子だって、佐々木くんが知ったらどう思うかな」
佐々木……?佐々木くんって、誰だったっけ?そんなこと、今はどうだっていい。
それより、イきたい。もう自分のソコが熱くて苦しくて堪らない。膨らみきった熱を今、解放してもらえたら、きっと死ぬほど気持ちいい。
修平はローターを置き去りにしたまま指を引き抜くと、身体の上に覆いかぶさってきて
「あなた、聞いてる?佐々木くんに教えてもいい?あなたが淫乱だってこと」
修平は少し興奮した掠れ声で囁くと、首の後ろに手を回して、口を塞いでいた大判のハンカチを解いた。
「んっはぁ、けほっ、はぁ…」
「教えても、いい?」
「…っ、なに、を……?」
「答えて?いいって言ったら、イかせてあげる」
頭が熱でぼーっとして、修平の言葉の意味が上手く繋がらない。
拓斗は何も答えられないまま、腰をくねらせた。修平が指を抜き取った拍子に、ローターがズレて感じやすい場所を微妙に抉っている。射精感が高まり過ぎて、じっとしていられない。
「あ、んあ、……ぁ、しゅ、へ……っ、や、それ」
修平はちょっと不満そうな顔になり、上着のポケットからまた何か取り出した。
「今度はこっち。声は自分で抑えてね」
素っ気ない口調で呟いて、修平がこちらの目の前に翳したのは、黒いアイマスクだった。頭上から被せるようにしてソレを目にあてると、ゴムを調整してキツく絞める。
視界が暗転して、不意に不安が押し寄せてきた。
……修平……怒ってる……?
さっき修平は何て言ったんだろう。
快感と薬の影響で、ぼーっとしてまともに考えることが出来ない。覆いかぶさっていた修平の身体が、不意に遠ざかり、余計に不安を煽られた。
「……っ、しゅ、へい、どこ……?」
「大丈夫。ここにいる。今、服を脱いでる」
伸ばした手をぎゅっと握られて、拓斗はほっとして泣きそうになった。
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