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Ⅳ 運命の番④
「なぜ……とは?お気づきでしょう。私がこの飛空挺にいるという事は、琉青様の正体を知っている人間です。
琉青様が子の国を滅ぼしてしまっては、武器を売ってきた私の利益は、誰が補償してくれるのでしょうか?」
「そんな事のためにッ」
「莫大な金額ですよ」
銃口が俺を捕らえている。
「あなたのために、私の利益を壊されてはたまらない」
銃口から逃げたところで、俺に居場所は……
《アヴァロン》だ。
微かな吐息の声が聞こえた。
兄上が生きている。
《アヴァロン》の設計者は誰だと思っている?
世界で一番お前を愛している私だよ……
飛空挺のガラスが割れた。
兄上が俺の肩を押した。
体が宙に浮く。
さようなら………
愛しい弟
運命のΩ
君を愛した運命の報いとは思わない。
私に抱かれて、愛されてくれて、ありがとう。
君を最後まで守るのは、私だよ……
対空迎撃特化型兵器の《アヴァロン》の重量では、飛空挺の高度まで飛べない。
しかし。
戦略的人型兵器《アヴァロン FAITH 》なら。
飛べる!
さらいに来い。
私のたった一人の恋人を……
《アヴァロン》!!
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