2 / 3

世界観

 ―― 仮想 21世紀末・アメリカ北西部の  とある小都市。  発達レベルは数十年前より遥かに進歩している。   特に民間の科学者達にとっても遺伝子改変計画の 推進は最も重要な研究課題とされ。 その研究でもたらされた成果のひとつが ”獣人(亜人)”の誕生だ。 グリフ・ボスワースが営む ”グリフの館(やかた)”があるのは ―― アメリカとメキシコが混在する国境の街 ディライトタウン(歓喜の街)だ。 現在その街には約100余りの公営娼館が正規登録 されている。 全米でも一二を争う花街なので、 それに類する商業も広く普及している。 人口比率は人間6に対し獣人4といったところ。 どこの都市でも同じようここでも人間が支配階級だ 格付けされた獣人の中で最低ランクの グリフ・ボスワースのような男でも稀に店を持つ事が 出来るが、そうゆう場合でもオーナーは人間。  そして、国境を流れる川に掛けられた橋を渡れば  そこはもうメキシコ・プエブロ(Pueblo)。    役所に勤める役人以外は全員獣人、  という珍しい街。    農作物も海産物も豊富に産出される為、  アメリカが大の交易相手。  獣人でもこの街・プエブロの住民登録IDさえ  所持していれば国境の行き来は自由。    その特例以外は昔からの入国管理法を踏襲しており  人間でもメキシコ人だと入国ビザを取得するのは  至難の業。      人間に美人・不美人(ブス)、イケメン・ブ男が  存在するよう、獣人にも同様の存在がいて。  全人口の中で僅か2%にも満たない、  AAA(トリプルA)ランクに格付けされた獣人は  その生涯を何不自由なく終える事が確約されている。    その一方、人間達からのレイプや一方的な性交渉で  生まれたとされるモノが大多数を占めており、    まともな獣人(生き物)として扱って貰えれば  良い方で基本的な生存権はないに等しい。    Aランク~Cランクまでが普通の企業や商店で  働く事が許され。  それ以下のランク外は地方自治体がそれぞれ  運営している公営娼館でしか仕事を得られない。     獣人はランクにかかわらず人間の約5倍の速さで  年をとる(成長する)ので、見た目は幼くとも  身体はきちんと成長している。  その上、人間より遥かに長命である。  男女問わず妊娠が可能。   そして、この街で3ヶ月に1度催される  大競売会では各公営娼館から最低2名の獣人が  出品される決まりとなっており ――   ま、滅多に売れ残りは出ないが、万一出てしまった  場合でも落伍者の巣窟と言われるアウトロービレッジ  に自動転売されるシステムとなっている。  因みに、これが”歓喜の街”で働く男娼達が最も恐れる  ”島流し”だ。

ともだちにシェアしよう!