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第21話

帰りは逆に、優登を一樹の自宅にまで送り無事に産まれた事を祝福され、自宅近くで合流した長岡にも祝福され、自分が産んだ訳でもないのに嬉しくて擽ったくてはにかんでいた。 「どうだった?」 「ちっちゃくて可愛かったです。 元気に産まれてきてくれて、それがなによりです。」 「ご両親は?」 「元気です。 父はずっとにこにこしてました。」 名前を言うと、相変わらず綺麗な名前をもらったんだなと頭を撫でられた。 「綺麗なんです。 気に入ってくれると嬉しいです。」 「大丈夫だろ。 なんせ、遥登の弟だ。」 「買い被り過ぎですよ。」 「そうか? 俺は遥登のそういうところ好きだけどな。」 ぱっと顔を上げると小首を傾げられ、その優しい顔に尻尾が揺れる。 「じゃ、帰ろうか。 話の続きも帰ってから沢山聴かせてな。」 「はいっ。」 一緒に帰ろうか。 その言葉がどれ程嬉しいか知っていますか。 俺は、とても、嬉しいんですよ。

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