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第39話

ぐぅぅと鳴る腹の虫に本人は苦く笑う。 「もう少し待ってな。」 「はい。 お世話かけます…」 「世話するっつったしな。 任せとけよ。」 レトルトのトマトソースに野菜を足し、茹で上がったパスタに絡める。 三条の栄養バランスを考え野菜を足したりサラダを付けたり以前よりバランスのとれた食事のお陰で長岡自身の肌艶も良くなった。 「遥登、味見。」 「あ、美味しいです。」 「ん、良かった。 味薄くねぇか?」 「大丈夫です。」 まだ食べさせて貰うのは照れるが、味見役は得役だ。 笑顔に笑顔が返ってきて、心がぽかぽかする。 長岡の傍はあたたかい。 ずっと隣にいたい。 「遥登の分は山盛りな。」 長岡は皿に山盛りに盛ってくれた。 それを受け取り、マグと一緒に卓上へと運ぶ。 すぐ後ろを追ってきた長岡の足音の心地好さに三条は一層ふわふわとした空気を纏う。 「風呂も世話してやるから任せとけ。」 「それは1人で大丈夫ですよ…」 「任せとけって。」 「……本音は?」 「俺が遥登と風呂に入りてぇ。」 大真面目な声に眉を八の字にして笑った。 教師の姿しか知らない友人達は、この子供みたいな姿を見たらどう思うだろうか。 見せてなんかやらないけど、そんな事を思う。

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