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第48話
具材のごろごろ入ったカレーはピリピリと舌が痛むがやっぱり美味しい。
長岡にそう伝えれば穏やかな笑顔が返ってきた。
「やっぱり正宗さんの作ってくれるカレーは美味しいです。」
「そりゃ良かった。
でも、もっと美味いもんあんだろ。
ウインナーなんて推奨通り焼いてから茹でたから美味いだろ。」
「正宗さんが作ってくれたカレーが良いんです。
ウインナーも美味しいですけど、カレーが1番ですよ。」
何が食いたい?
そう聴かれ迷わずカレーと答えた。
長岡の作るカレーは野菜がごろごろしててピリリと辛くて、しあわせな味がする。
自宅の甘口のも美味しいが、やっぱりこのしあわせな味のするカレーが良い。
じゃがいもを頬張る隣で長岡も同じものを口にした。
今日のカレーも美味しい。
「じゃ、来年もカレーか?」
「はいっ。
カレーでお願いします。」
「安上がりだな。
来年は成人だし美味いもん食わせてやる。」
成人になっても何も変わりはしない。
変わらずこの場所にいたい。
隣にいたい。
俺の願いはそれだ。
だけど、とても贅沢な願い。
「正宗さんと一緒にカレーが食べたいです。
俺、贅沢なんです。」
スプーンを持つ手を止めた長岡はとても優しい顔で頷いた。
そして、約束だと言ってくれた。
約束。
嬉しい約束が出来た。
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