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第63話
事後、怠い身体に鞭打ってシャワーを浴びきちんと着衣を身に纏い三条はベッドに寝転んでいた。
交換されたシーツに顔を埋めると長岡のにおいがして、何時までもこうしていられそうだ。
ふわふわした気分の中、飲み物を取りに行った長岡を待つ。
「遥登」
長岡の声と共にひんやりとした手が頬が撫でた。
「冷たい…」
「アイス。
食うか?」
「アイス…」
「新しい味。
桃だってよ。」
長岡はペットボトルを差し出すと、バリっと音をたてて封を破った。
取り出したアイスを更に半分に分けると片方を起き上がった三条に握らせる。
「いただきます。」
「ん、ゆっくり食べな。」
火照った身体に冷たいアイスが染みていく。
「うまい…」
「うめぇな」
ぽつりと溢した独り言にさえ返事が返ってきた。
「遥登」
「はい?」
チュ
「誕生日おめでとう。
生まれてきてくれて、ありがとな。」
誕生日で1番嬉しいのは、目の前の恋人からのおめでとうの言葉。
それから、隣にいれる事。
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