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第78話
「綾登、美味いか?」
「優登、ミルク飲ませるの上手くなったな」
この春まで末っ子だった優登もこの数ヵ月で綾登との接し方を学んだ。
両親や兄の様にきちんと1人の人間として接する。
両親も兄も分からなかったら聞けば何度だって教えてくれるし、最近の綾登はぷくぷくしてきて可愛い。
「赤ちゃんって、生まれた時より格段に太るんだな」
「太るって…。
ぷくぷくしてきたんだよなぁ、綾登」
ミルクのにおいも相まって、むっちりした手がクリームパンみたいだ。
「綾登、大きくなれよ。
あ、でも、俺の身長は超すな」
優登は、じっと自分を見詰める汚れのない綺麗な目に微笑んだ。
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