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第99話
臀部を撫でられながら唇を奪われた。
いきなりの事で口を開けていた三条は、容易に長岡の舌を受け入れる。
「んっ、ン…んぅ…」
上顎を擽られぞくっと快感が走った。
それから舌を舐め、甘く噛まれ、思わずスーツの襟を握り締めると、長岡がふと笑った。
「ほんと、キス好きだな」
「それは…」
「じゃ、もっかい」
ヘアセットをしてないせいか、素の長岡の方が強く感じる。
やわらかな表情も長岡先生はしない。
この人は紛れもなく俺の恋人だ。
「ん…、」
臀部を撫で回していた手は腰へと上がり、優しく抱かれる。
そのまま長岡は1歩距離を詰め、三条も倒れてしまわない様に1歩後ろに足を出した。
1歩、また1歩。
ガタッと音がしたのと同時に太股の後ろに固い物が触れた。
並んだ天板に尻を着くと、身長差が更に開く。
流れ込んでくる唾液を飲み込むとゆっくりと押し倒された。
背中に痛もなんてない。
あの日とは、違う。
「可愛い奴」
唇を離すと洗い晒しの髪の一房が眉間に流れ長岡の男くささがグッと増した。
格好良い。
甘い空気に流されそうになったが、長岡はセックスする気満々の顔だ。
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